2021年の読書メーター
読んだ本の数:37
読んだページ数:11346
ナイス数:150
罪悪
読了日:12月28日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
犯罪
読了日:12月23日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
コリーニ事件 (創元推理文庫)の感想
簡潔で短い文体でテンポよく進む独特の筆致はさすが。ドライで淡々としていながら、人間という存在の奥深さを感じさせる。衝撃的な展開だけど、うがった見方をすれば「実はこうでした」という後付けの理由。でも見せ方が上手いので、著者の掌の上でいいように踊らされてしまう。
読了日:12月15日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
同志少女よ、敵を撃ての感想
面白かった。訓練や戦闘シーンのリアリティと緊迫感,そしてある種の残忍さはとてもハードで硬派。その一方で,狙撃兵である少女たちの普段の会話はまるでラノベでも読んでいるかのように軽いノリ。そのギャップを楽しめるかどうかが,この作品の評価を左右すると思う。
読了日:12月10日 著者:逢坂 冬馬
刑罰の感想
『罪悪】と『犯罪』を読んだのはだいぶ前のこと。具体的な内容はほとんど覚えていないけど、独特の読後感があって衝撃を受けたことは覚えている。本作『刑罰』を読み終えて、このなんとも言い難い余韻を楽しんでいる。心地よいものでは断じてなく、かと言って不快なものでもない、不思議な“例の”読後感。結局のところ、人って何なのだろう、人生って何なのだろう、社会って何だろう、そんなことをとりとめもなく考えさせるのだった。
読了日:11月29日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
吸血鬼ハンター (39) D-鬼哭旅 (朝日文庫)の感想
まさかの短編集だった(全5話)。完結が見えないこのシリーズは、もしかしたら短編の方が向いているのかもしれない。荒野を彷徨うDが巡り会う様々な人々と怪異な事件の数々をテンポよく描くスタイルは、読んでいてストレスがない。長編だとマンネリ感やネタが尽きた感があるが、短編だとその懸念もほとんどない。
読了日:11月26日 著者:菊地 秀行
創竜伝15 <旅立つ日まで> (講談社ノベルス)
読了日:11月18日 著者:田中 芳樹
創竜伝14 <月への門> (講談社ノベルス)
読了日:11月03日 著者:田中 芳樹
イチロー実録 2001-2019の感想
MLBにおけるイチローの偉大な足跡を簡潔に辿ることができる良書。いわゆる名言集的なものではないが、筆者の記者目線とイチロー自身の発言が絶妙のバランスでその時々のイチローのパフォーマンスを振り返る形になっており、とても読みやすい。
読了日:10月29日 著者:小西 慶三
創竜伝(13) 噴火列島 (講談社ノベルス)
読了日:10月26日 著者:田中 芳樹
スティーグ・ラーソン最後の事件 (ハーパーBOOKS)の感想
なんとも不思議な本だった。フィクションとノンフィクションがない混ぜになった独特の作風。
読了日:10月13日 著者:ヤン ストックラーサ
創竜伝(12) 竜王風雲録 (講談社ノベルス)
読了日:09月02日 著者:田中 芳樹
金ピカ時代の日本人の感想
日本経済がバブルに沸いた1980年代の世相がよくわかる。社会全体が本能と欲望むき出しでひたすら前進し続け,今では考えられないくらいエネルギッシュだった当時の異常なまでの狂乱ぶりに唖然とさせられる。
読了日:09月01日 著者:須田慎太郎
小説NieR:Automata(ニーアオートマタ)少年ヨルハ (GAME NOVELS)の感想
もともとが舞台であるせいか、ストーリーの骨格がしっかりしている印象を受ける。登場人物の数が多い点も舞台らしいと言えば舞台らしい。描かれる世界観も『NieR』そのものと言ってよく、情け容赦のなさや暴力的でありながら儚げで美しくもある世界観は、原作ゲームによくマッチしていると思う。
読了日:08月18日 著者:映島巡
小説NieR:Automata(ニーアオートマタ ) 短イ話 (GAME NOVELS)の感想
『長イ話』よりも面白かった。収められている短編のほとんどは既出の作品だが、どれも「 NieR」の世界観をより深く楽しめるエピソード。書き下ろしの2篇を読むためだけでも買う価値がある。
読了日:08月14日 著者:映島巡
小説NieR:Automata(ニーアオートマタ ) (GAME NOVELS)の感想
ゲームがとても面白くて好きなので、その個性的な世界観を楽しみたくて読んでみた。残念ながらゲームのストーリーをなぞっただけという印象。原作を知らない人には「何のこっちゃ」となる危険性もあるかも。元となったゲームがそもそも物語的にも演出的にも完成度が高いので、それを活字にしただけではインパクトに欠ける。「NieR」の世界観をより深く味わうという意味では、スピンオフ的な内容にした方が良かったのでは。
読了日:08月09日 著者:映島巡
三体III 死神永生 下の感想
終盤が圧巻だった。あまりに壮大なスケール感に度肝を抜かれた。すごい。すごすぎる。そのすごさをちゃんと理解しきれているか不安になるくらい。
読了日:07月29日 著者:劉 慈欣
三体III 死神永生 上
読了日:07月14日 著者:劉 慈欣
創竜伝(11) 銀月王伝奇 (講談社ノベルス)
読了日:06月28日 著者:田中 芳樹
一九八四年〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)
読了日:06月16日 著者:ジョージ オーウェル
創竜伝(10) 大英帝国最後の日 (講談社ノベルス)
読了日:06月12日 著者:田中 芳樹
渚にて 人類最後の日 (創元SF文庫)の感想
救いようのない結末に唖然とした。登場するのは主に4名なのだが,最初から最後まで,彼らの何気ない日常生活が淡々と描かれている。派手さとは無縁。特別な出来事が起こるわけでもない。ひたひたと迫り来る死の恐怖に怯えながら,しかしどこかでそれを現実のこととして捉えきれない戸惑いも見せつつ,毎日を幸せに生きようとする彼らの日常がそこにはある。その平凡さの延長線上で4人(を含めた全人類)を待ち構える,「死」の残酷さといったら……。
読了日:05月15日 著者:ネヴィル シュート
創竜伝(9) 妖世紀のドラゴン (講談社ノベルス)
読了日:05月01日 著者:田中 芳樹
マルドゥック・アノニマス 6 (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-23)の感想
「声」を取り戻したバロットは,相変わらず圧倒的に強くて魅力的。自分の能力を最大限に解放して敵を徹底的に叩きのめしたいという欲望に時に駆られながらも,一方で冷静沈着であろうと常に己を律する姿に成長を感じ,思わずバロットの仲間たちのように「大人になったなあ」と心のなかでつぶやいてしまうのだった。強烈なパワーをひけらかさず,むしろ「戦わずして勝とう」とするその心構えと姿勢に,本当の強者のスピリットを見る思いだ。
読了日:04月22日 著者:冲方 丁
創竜伝(8) 仙境のドラゴン (講談社ノベルス)
読了日:04月18日 著者:田中 芳樹
吸血鬼ハンター(38) D-暗殺者の要塞 (朝日文庫)の感想
「あとがき」によれば、本書は難産だったらしい。たしかにまとまりにかけていて、全体的に散漫な印象を受ける。登場人物の行動目的がハッキリしないことが最大の問題か。何のために、どのような理由で戦っているのかがよく分からない。独特の世界観は健在だけれども、Dの凄みが分かる戦いの場面は少ないのでインパクトが弱い。各キャラの必殺技も特徴に欠ける。自作では「偉大なるマンネリ」路線に戻れるかが問われる。
読了日:03月25日 著者:菊地秀行
創竜伝(7) 黄土のドラゴン (講談社ノベルス)
読了日:03月19日 著者:田中 芳樹
特等添乗員αの難事件 VI (角川文庫)の感想
K-POPの知識はほとんど持ち合わせていないし、K-POPへの興味なんて微塵もないけど、それでも十分楽しく読めた。ラテラル・シンキングを駆使して謎を解き明かすというシリーズ本来の醍醐味は薄まった印象で、主人公たちがきな臭いトラブルにひたすら巻き込まれていく様子の描写が大半。それにしてもコロナ禍だからこその読後感。あちらの世界では自粛を乗り越えて、自由に旅行できるまでに社会は回復している。これを励みにこの世界を生きねば。
読了日:03月17日 著者:松岡 圭祐
パーキングエリア (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
いわゆるシチュエーションスリラー的な設定ながら,バイオレンス色が強い。主人公のダービーはメンタル的にタフで,最近流行りの「戦う女性」の系統に属する。一筋縄ではいかない人間関係と終盤の意外な展開が秀逸だ。文字通り「まさか」の連続。それにしてもこの邦題,何とかならないものか。原題の「NO EXIT」を生かすべきだった。
読了日:03月07日 著者:テイラー・アダムス
創竜伝 (6) 染血の夢 ブラッディ・ドリーム 講談社ノベルスの感想
そういえば当時は10巻完結の予定だったんだっけ……と、あとがきを読んで思い出した。
読了日:02月22日 著者:田中 芳樹
創竜伝(5) 蜃気楼都市 (講談社ノベルス)の感想
怪しげな新興宗教団体を持ち出すあたりはかなり過激と言えなくもない。
読了日:02月13日 著者:田中 芳樹
創竜伝(4) 四兄弟脱出行 (講談社ノベルス)の感想
序盤でひとつのピークを迎えた感あり。4人全員が竜になり、日本を飛び出し、果ては限りなく宇宙空間に近い所まで躍り出る。破天荒で面白い。
読了日:02月05日 著者:田中 芳樹
創竜伝(3) 逆襲の四兄弟 (講談社ノベルス)の感想
終わるのみならず余るまでもが竜に。一連のくだりのストーリー展開はまさに疾風怒濤。実に読み応えがあった。
読了日:01月29日 著者:田中 芳樹
創竜伝(2) 摩天楼の四兄弟 (講談社ノベルス)の感想
東京ドームと都庁がネタになっているあたりに時代を感じる。
読了日:01月23日 著者:田中 芳樹
創竜伝(1) 超能力四兄弟 (講談社ノベルス)の感想
先日、完結編となる15巻を読んだので、これを機に最初から再読しようと思い立った次第。竜堂始が荒々しいというか、なんか若い気がする。所々に時の移ろいを感じさせる記述があって感慨深い。たとえば「E電」。1987年初版なのだった。
読了日:01月14日 著者:田中 芳樹
ローンガール・ハードボイルド (ハヤカワ・ミステリ文庫 サ 9-1)の感想
この手の作品にしては結末がちょっと予想外でビックリした。けっして主人公の少女が負けたわけではないけど、勝ってもいない。引き分けというのが妥当な評価だろう。あまりにも痛々しくて絶望的な復讐劇は、とても痛々しい。妹への強すぎる愛情と、母親への底無しの憎悪。その強すぎる思いゆえ、セイディは事実をありのままに見ることができなくなってしまったように感じる。何とも救いようがない物語に、胸が苦しくなる。
読了日:01月06日 著者:コートニー・サマーズ
創竜伝15 <旅立つ日まで> (講談社ノベルス)の感想
30年以上も続いたシリーズもようやく完結。しかし終わり方がすっきりしない。何となく一件落着という感じはするが、実は竜種と牛種の争いに決着はついていない。あまりに個性的な小早川奈津子の最期も苦肉の策という印象。
読了日:01月01日 著者:田中 芳樹
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