私は負けない 「郵便不正事件」はこうして起きた/中央公論新社

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刑事事件の捜査手法が抱える問題点を非常に具体的にえぐりだしている本です。
現在の検察による捜査,中でも逮捕・勾留後の取り調べがいかに問題を抱えているかということがよくわかります。
「供述調書が検察の都合の良いように作文される」などということは断じてあってはなりません。一般人の感覚からすればあまりに非常識なことが当然のように行われているというこの現実は,あまりに恐ろしい。
裁判で有罪が確定して初めて罪に対する罰が下されるべきなのに,これでは裁きが下される前に罰が与えられているようなものです。「推定無罪」とか「疑わしきは被告人の利益に」といった言葉が虚しく感じられます。
取り調べの全面可視化を実現しなければ,国民の誰もが冤罪に巻き込まれてしまう危険性があると思います。