昨日公開されたばかりの「ハンガーゲーム」を観てきました。
2時間23分の長尺作品ですが、それを微塵も感じさせません。とても面白い作品です。
支配される側の人間がテレビのショーのために殺人ゲームに駆り出されるという設定は、1987年に公開されたシュワルツェネッガー主演の「バトル・ランナー」に似ています。しかもゲームに参加するのが少年少女という点では、日本の映画「バトルロワイヤル」にも似ています。
そんなことしか知らなかったので、観るまでは「子どもたちが殺し合うゲーム」を描いた映画だとばかり思っていました。
実際には、そんな残虐性はまったく感じられませんでした。
作品の中で「ハンガーゲームでは感染症や脱水症状で死ぬリスクが高い」という説明があったくらいです。CMなどを見ると「子ども同士の殺し合い」的な要素がフィーチャーされていますが、それはこの映画のテーマではないと思います。たぶん原作の小説を読んでいれば、そんなことは常識だったのでしょうけど。
じゃあ、この映画のテーマは何なのか?
それは「1%の持つ者に対する、99%の持たざる者の反逆」だと思います。
そう、現実世界でも起こった「ウォール街を占拠せよ」と似ています。極めて政治色の強いメッセージが込められていると思います。
キャラクターもとても魅力的で、特に主人公のカットニスを演じるジェニファー・ローレンスが醸し出す雰囲気が最高にカッコいい。抜群のサバイバル能力と戦闘スキル、そして強靭な精神力と、家族に対する深い愛情。派手さはないものの、抜群の存在感は圧倒的だと思いました。
原作の小説はアメリカで累計5,000万部以上も売れていて、3月に公開された映画は北米の歴代興行収入第13位というモンスター級の快進撃。すでにシリーズ第2部、第3部の製作も決まっているようなので、今から楽しみです。