ヘヴィ・メタルの「今」を強烈に物語るアルバムが誕生。Lamb Of Godの最新作「INTO OBLIVION」の感想を書きました。
ライアン・ゴズリング主演の娯楽SF「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を公開2日目に劇場にて鑑賞。アンディ・ウィアーによる同名の原作小説は新潮社から発売中で,販売部数は75万部を突破している(2026年2月時点,PR TIMES「『プロジェクト・ヘイル・メアリー』累計75万部突破!」)。
原作のファンである私にとっては文字通り待望の映画化。極上の宇宙SFエンタメである原作の面白さをどこまで映画で表現できるのかが気になっていたが,何の心配もいらなかった。率直に言って,原作ファンでも文句のつけようがないクオリティだと思う。あの壮大な物語をよくぞここまで映像化できたものだ。
参考:原作は2回読んだ。最初に読んだ時の感想は以下を参照。
もちろん原作に盛り込まれているすべての要素が映像化されているわけではない。たとえば,冒頭で睡眠状態から目覚めた主人公が体力を回復するまでの奮闘ぶりや,ロッキーと出会った主人公が会話できるようになるまでの過程は,映画ではかなり端折られているのは事実。しかし,原作の内容がそこそこ削ぎ落とされたとしても,物語の本筋はしっかりと描かれているので,この作品本来の面白さが減退することはない。
宇宙が舞台のSF映画というと,壮大なシリアス路線かエイリアンと戦うアクション路線に走るケースが多い。ところが『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はそのどちらでもない。肩肘張らずにドキドキワクワクしながら楽しめる最上級のエンタメ作品なので,原作を読んでいない人にもぜひ観てほしいと思う。
残念だったのは,いつも映画を観に行く劇場の設備がしょぼいこと。IMAXにもDolby AtmosにもScreenXにも4DXにも対応していないのだった。
これは入場プレゼント企画のオリジナル・ワッペン。もちろん数量限定。
松岡圭祐の『水鏡推理VIII マイクロプラスチック』(KADOKAWA,2026年)を読了。
○内容紹介(Amazonの商品紹介より)
腐敗した霞が関に立ち向かう下剋上ミステリ最新作!
使い捨て容器などから発生するマイクロプラスチックが体内に蓄積することで、健康被害が起きるという恐怖が社会に広まり、体内洗浄クリニックなど、プラスチックの除去を謳うサービスが生まれていった。マイクロプラスチックと健康被害の因果関係の調査を命じられた水鏡瑞希は、厚労省の佐久間英里子らとともに、研究機関を訪れる――。流行する健康ビジネスの裏に潜む思惑とは。瑞希の推理が嘘を暴き出す、本格科学ミステリ。
不正を暴く爽快感よりも,マイクロプラスチック狂騒曲に乗っかって過剰な反応を示す世間の描写の方が強く印象に残った(リアル社会でのコロナ禍を思い出した)。作中で描かれる不正ビジネスの実態がやや複雑で分かりにくいことも影響しているかもしれない。
今回は4人編成のチームで不正の解明に挑むので,、主人公である水鏡瑞希の存在感と活躍の度合いがやや減退しているように感じられる。シリーズ初期の頃のように「水鏡瑞希+その相棒」というミニマムなチーム構成の方が個人的に好き。登場人物が多くなるとスケールが大きくなって良いのだが,その一方でストーリーが散漫になるリスクがあると思う。
実際,4人チームになった結果,主人公である瑞希にスポットライトが当たる時間は相対的に減る。その分,瑞希が逆境をひっくり返していく展開が読者に与える爽快感も弱まるし,瑞希の成長物語的な魅力もやや色あせてしまう。
本作は確かに「水鏡推理」なのだけれども,ストーリーテリングが今までとはどこか違っているようにも感じた。何の根拠もないが,もしかして(部分的にせよ)AIに書かせたのでは……とも思ったり。「面白いんだけど,何かが違う」というのが正直な感想だ。