訳 by Kotaroe

 

イランのミサイルはイスラエルの多層防空を克服することができた、とドイツ雑誌「デア・シュピーゲル」は述べる。

同誌は、今回のミサイル攻撃は、イスラエルとその同盟国がまだイランのミサイルと無人機の99%を迎撃することができた4月の前回のものよりも大幅に成功したことを指摘している。

国際戦略研究所 (IISS) の軍事専門家ファビアン・ヒンツ氏は「4月の攻撃から学んで、今回は弾道ミサイルを選んだのだろう」と指摘する。

彼は、これらのミサイルは巡航ミサイルや神風無人機よりもはるかに速く飛ぶので、イスラエルが反応する時間が少ない、と説明する。

200発のミサイルによる攻撃は、世界史上最大規模の弾道ミサイル攻撃になる可能性が高いという。

 

イランの情報によると、テヘランが極超音速と呼んでいるFatteh-1ミサイルが初めて使用された。しかし、ほとんどの弾道ミサイルはマッハ5 (時速約6,000キロ) 以上の極超音速に達するため、この用語は誤解を招く。しかし、本物の極超音速ミサイルは、その飛行の一部だけでなく、全体を通してこの速度に達する。

Fatteh-1は古典的な意味での極超音速ミサイルではないが、生存性を高めるいくつかの特徴を備えている。真の極超音速ミサイルは、防空システムを混乱させるように設計された不安定な軌道を持つ。おそらくFatteh-1も同じ操縦性を持っているだろう。射程は約1,400キロで、弾頭の重さは最大450キロ。

ヒンツによると、イスラエルに落下したミサイルの破片は、イランが他の新しいミサイルを使用したことを示している。これには、チェイバル・シェカン・ミサイルが含まれる。その射程距離は1,450キロと言われる。その高速のため、これら2つのミサイルは、わずか数分でイランからイスラエルに到達することができまる。

イランは合計で少なくとも3,000発の弾道ミサイルを保有していると考えられているため、特にヒズボラとフーシ派が独自の兵器で攻撃に加わった場合、イスラエルはもはやこうした攻撃と無縁ではいられなくなるという事実に備えるべきだと同誌は指摘している。

 

 

 

イランの攻撃直後の記事で書いたが、イスラエルの防空網を突破した弾道ミサイルは比率的には、多くが旧世代のものだ。 極音速は一部しか使われていない。

 

さらに、「少なくとも3000発の弾道ミサイルが在庫に」と言うのは数年前の米国調査機関の推測であり、今日の数字ではない。 また、新型極音速ミサイルの保有数は、諸外国では誰も知らない。

 

実際、被害は深刻であったらしく、その詳細については、イスラエル国内では報道管制が敷かれている。

 

「デジタル・クラウド」により、衛星写真ですらも実態がわからないようにしている。

 

 速報:

イスラエルは、イランが攻撃した軍事基地の被害を隠すために衛星画像を検閲した。

被害は深刻に違いない!

 

 

 

Al-Mayadeenへのヒズボラの現地情報:

80人以上のイスラエル軍将兵が死傷し、約5両のメルカバ戦車がレバノン南部の前線での戦闘で破壊された。

 

 

 

ヒズボラからアルジャジーラへの現地情報:

○「イスラエルの敵兵と対峙するのは、南レバノンのレバノン領内のいくつかの村の郊外に侵入した精鋭部隊に限られず、むしろ占領地(イスラエル領土)内の軍の兵舎、果樹園、および場所にこれらの部隊を集中している。」

○「レバノンとパレスチナの国境にある占領地域内にいるすべてのイスラエル軍は、イスラム抵抗勢力の攻撃範囲内にあり、適切な武器を使って対処されている。」

○「今日レバノン領内に入ったイスラエル軍の精鋭は全員、殺されたか、負傷したか、逃げたかのいずれかだ。」

 

 

レバノンでの地上戦もまだ序盤に過ぎない。 ヒズボラの本当の戦いは、イスラエル軍をレバノン内に引き入れてからだろう。 

 

 

そして、イスラエルはガザと同じこと、すなわち「武装した軍隊との戦闘で負けても、一般人を巻き込む無差別攻撃をすれば勝ち」という外道戦術を貫いている。

 

レバノン国営通信:
イスラエル軍は、国際的に禁止されているリン弾でアル・バシュウラの「保健当局」センターを標的にした。

 

 

 

イスラエルは、レバノンへの地上侵攻を宣言したが、NYタイムズなどは「侵攻」と言う言葉は使わずに、「派兵」と表題に書いている。 TV報道は、イランのイスラエル諜報機関モサド本部攻撃を「周囲に民間施設があるにもかかわらず無差別攻撃」と非難するが、ガザやベイルートへのイスラエル軍爆撃については、自衛行為と言う。いったい、どれだけ米国はユダヤ資本に支配されているのか見当もつかない。

 

しかし、今や米国民でマスメディアを信用しているのは国民の1/4との調査結果もある。 現実はリアルタイムの動画、写真でSNS等を通じて拡散している。 

 

現実を見る限り、軍事的判断を合理的に行えば、イスラエルが戦火拡大をすることは自殺行為と判断できるだろう。 

 

しかし、歴史を振り返れば、敗色を認めずに暴走した政治リーダーは枚挙に暇がない。 米国の支援がなければ壊滅していたはずのイスラエルだが、その米国の大統領候補は民主党、共和党ともにイスラエル支持・支援は揺らがない。

 

だから、まだ何が起きるかわからない。


ネタニヤフは、イランへの報復を誓約している。 怯えた狂人が何をするかわからん。 本人は、核攻撃にも耐える地下バンカーに隠れれば大丈夫と思っているだろう。 自らはバンカーに隠れて、国民と自軍の被害を考えなくなってきたところは、ますますゼレンスキーに似てきた。