ヒズボラ、イスラエル軍にミサイル大規模攻撃 司令官殺害の報復 CNN 

2024.07.05 Fri posted at 06:25 JST

 

(CNN) レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは4日、前日の上級司令官殺害の報復として200を超えるミサイルでイスラエル軍基地などを攻撃したと明らかにした。

 

イスラエル軍は3日、ヒズボラのアジズ部隊の司令官モハメド・ナセル氏を殺害したと発表した。ナセル氏は昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲の前後にテロ攻撃を指揮したと主張している。

 

同軍はヒズボラの別の司令官を先月殺害しているが、この司令官とナセル氏はレバノン南部に展開する部隊の中で最高位だったという。先月の司令官殺害後には一連の報復攻撃があった。

 

ナセル氏の殺害を受けて、ヒズボラは4日、イスラエル側に向けて200発を超えるさまざまな種類のミサイルによる攻撃を行ったと明らかにした。

 

イスラエル軍はこれらのミサイルの一部やドローン(無人機)を迎撃し、落下した破片による火災が発生した。

 

報復攻撃を受けてイスラエル軍は戦闘機でヒズボラの軍事施設と「テロリストのインフラ」3カ所を攻撃したという。ヒズボラは戦闘員1人が死亡したと発表した。

昨年10月以降、イスラエルと、イランを後ろ盾とするヒズボラは国境付近でほぼ毎日交戦している。だが次第に激化しており、全面戦争へと発展するのではとの懸念が強まっている。

 

ヒズボラは数万人の戦闘員と膨大なミサイルを抱えており、中東で最も強力な民兵組織だ。イスラエルとの交戦はパレスチナ自治区ガザ地区のパレスチナ人を支援するため、としている。

 

ロイター通信の集計によると、この交戦ではこれまでにヒズボラの戦闘員300人超と民間人約90人が死亡。一方、イスラエル側では兵士18人と民間人10人が犠牲になっている。

 

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Photo AFP

 

 

ヒズボラの攻撃は凄まじい。

 

まずは、シリア領ゴラン高原、アル・ジャリル上部地域、アル・ジャリル奥地、サファド、ナハリヤにあるイスラエル軍基地を攻撃。 その後、アイェレット兵舎に新設された第91師団の司令部、カツァビア兵舎の第7機甲旅団の各司令部、ガムラ兵舎の第7旅団機甲大隊、ナファ基地の第210師団(ゴラン師団)、ヤルデン兵舎の第210師団砲兵連隊を攻撃。 

 

イスラエルは、ウクライナのキエフ政権と似ていて、自軍の損害を過少報告するのが常だが、想像では、発表の10倍以上の損害が生じているはずだ。 そうでなければ、徴兵に関して聖域だった超正統派ユダヤ教徒ハレーディームの徴兵開始を目論むはずがない。

 

ハマスに対しても苦戦が浮き彫りになっている。 

 

親イスラエル筆頭のNYタイムズが、イスラエル軍の厭戦気分を伝えている。

 

 

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NYT: Israeli senior generals want Gaza ceasefire

Wed, 03 Jul 2024 19:14:41

 

NYタイムズ:イスラエル軍高官、ガザ地区での停戦を望む

 

ニューヨーク 2024年7月3日 ーニューヨーク・タイムズ紙 (NYT) は火曜日遅くに報じたところによると、イスラエルの最高司令官たちは、たとえそれがハマスの政権を当面維持するとしても、ガザでの停戦を開始することを望んでおり、「ハマスが戦争を生き延びることを可能にする停戦に反対しているベンジャミン・ネタニヤフ首相と軍との間の亀裂を広げている。」

同紙がインタビューした現職および元治安当局者六人によると、軍司令官らは、停戦が、現在もガザに生死を問わず拘束されている約120人のイスラエル人を解放する最善の方法だと考えているという。

ここ数十年間で最長となったイスラエルの戦争のあとのさらなる戦闘に対する装備が不足しており、ヒズボラに対する地上戦が勃発した場合に備えて、軍は回復する時間が必要であるとも将軍たちは考えている。

ハマスとの停戦は、ヒズボラとの合意に達することを容易にする可能性もある、と関係者は述べた。関係者のほとんどは、微妙な安全保障問題を議論するために匿名を条件に語った。


ヒズボラは、イスラエルがガザ地区での戦闘をやめるまでイスラエル北部への攻撃を続けると述べている。

昨年初めまでイスラエルの国家安全保障担当補佐官を務め、軍高官と定期的に話をしていたエヤル・フラタ氏は、「軍は人質取引と停戦を全面的に支持している」と語った。

 

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ハマスとの戦闘でさえ、全く展望が開けていないのだ。 やっていることは、非武装の民間人の虐殺だけ。

 

軍事力で、ハマスと比較にならないほど強大なヒズボラと本格的な第2戦線を展開し、維持する能力があるはずがない。

 

にもかかわらず、どうしてレバノンにちょっかいを出しているのかと言えば、それは戦域拡大と米英を引きずり込むことだけが、自分の政治生命延命になると考えているネタニヤフの意思によるものだ。

 

一方では、イエメンのフーシ派による紅海封鎖は、イスラエル経済を確実に締め上げている。

 

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Eilat Port seeks financial aid from Israel gov’t as work halted  

July 3, 2024 at 4:40 pm

 

エイラート港、イスラエル政府に資金援助を要請、活動停止で

 

以下抜粋翻訳 by Kotaroe


日曜日に行われたクネセトの経済委員会との会合で、エイラート港のCEOであるギデオン・ゴルバーは「港は攻撃のために8ヶ月間停止しており、収入がないことを意味してる」と述べた。

ガザのパレスチナ人を支援するためにイスラエルとつながりのある船舶を攻撃すると誓ったイエメンのフーシ派の結果、エイラートに向かう船舶は紅海にアクセスできなくなっている。

ウンム・アル・ラシュラシュ (エイラート港) もまた、イエメンからのミサイルや無人機攻撃を受けている。

12月、ゴルバーは、イエメン軍 (YAF) が紅海で船舶への攻撃を開始して以来、作戦は85%減少していると述べた。彼は当時、状況が続けばエイラット・ポートは一時的に従業員を解雇する必要があるかもしれないと示唆した。

港湾管理者は3月、操業レベルの低下を理由に120人の職員の半数を解雇すると発表した。

 

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米英軍+イスラエル軍が、無双に思えたのは昔話。

 

ヒズボラは、いくら将軍や高級将校が戦死しても、細胞が再生するように後任が据えられ、戦闘を続ける。 イスラエル軍や米軍と違い、彼らのほとんどは戦って死ぬのは当たり前だと思っているようだ。 長年に渡るイスラエルの暴虐への復讐の念が、そういう戦士を生み出した。

 

ヒズボラと地上戦を展開したら、地獄を見るだろう。