バイデン氏、討論不振も撤退否定 NYタイムズは社説で交代要求 

2024年6月29日 19時46分 (共同通信)

 

【ワシントン共同】米民主党のバイデン大統領(81)は28日、南部ノースカロライナ州の選挙集会で演説し、共和党のトランプ前大統領(78)との27日の大統領選討論会で自身が不振だったと認めた上で、選挙戦からの撤退は否定した。深まる高齢不安を払拭し、11月に再選を果たす意欲を示した。ただ2020年大統領選でバイデン氏を支持した有力紙ニューヨーク・タイムズは社説で交代を要求。候補差し替え圧力が強まっている。

 

 討論会では声がかすれたり、質問への回答で結論を言えなかったりし、民主党内から「大失態」との批判が拡大。28日のバイデン氏は一転、力強い調子で演説し「かつてのようにうまく討論できない。だが大統領職をやり遂げる方法は分かっている」と訴えた。「倒された時は立ち上がらなければならない」と巻き返しを図った。

 

 ニューヨーク・タイムズ電子版は28日、見出しで「米国のためにバイデン氏は選挙戦から去るべきだ」と指摘した。トランプ氏の「危険性」に触れ「より強い対抗馬が必要だ」として民主党に新たな候補を擁立するよう呼びかけた。

 

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米国民主党御用メディアのNYTが、社説で候補者交代を訴えるのだから、既得権益集団がかなりのパニックに陥っていることが良くわかる。

 

驚いたのは、欧州の同盟国からも「バイデンの撤退」を望む声が上がり始めたことだ。

 

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米民主党はバイデン氏の交代検討を 独高官 

2024年6月29日 16:39 AFP 発信地:ベルリン/ドイツ

 

抜粋

 

【6月29日 AFP】米大統領選の1回目のテレビ討論会でのジョー・バイデン大統領(81)の低調ぶりを受け、ドイツの対米関係を担当するミハエル・リンク(大西洋協力調整官は28日、米民主党に対し、候補の交代を検討するよう呼び掛けた。

 

 リンク氏は日刊紙ターゲスシュピーゲルに対し、「民主党が本当にジョー・バイデン氏と共に11月の大統領選に臨むかどうかは、8月中旬の党全国大会で民主党員の判断によって決定されなければならない」と語った。

 

 27日のドナルド・トランプ前大統領との討論会でのバイデン氏について、「多くの事実を不明確に提示した。言語的に理解し難い場面もあった」と指摘。

 

「トランプ氏と異なり、バイデン氏は多くの重要な事実を提示したにもかかわらず、メッセージが十分に伝わらなかったのは残念だ」「トランプ氏が根拠のない主張や侮辱、歪曲(わいきょく)、真っ赤なうそなどのいつもの手口を使って再選するのを阻止するために、誰が最も適任なのかを民主党は検討しなければならない」と主張した。

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ドイツからだけではない。

 

ポーランドのラデク・シコルスキ外相はソーシャルメディアに、バイデンは後継者計画を責任を持って管理すべきだ、とXに投稿した。

 

ウクライナ外務委員長オレクサンドル・メレシュコは「ウクライナ時間の午前4時に起きて、特に見た。知っての通り、これは米国だけの選挙の話ではない。ウクライナの運命も左右される、最も権力のある人物の選挙の話なのだ。本当にショックだった。」とワシントン・エグザミナー紙に語った。

 

他にも、米国への内政干渉とも受け取られかねない発言は、イタリア、英国からも声が上がっている。


つまり、反ロシア主義を主張し、親ウクライナ派と称する政治家がパニックに陥っている。

 

とても興味深い。

 

ところで、米大統領候補の年齢問題に関して、かつてレーガン大統領が討論会で行った有名な「切り返し」を、バイデンとの対比で挙げる向きがけっこういる。

 

当時レーガンは73歳、モンデールは56歳だった。 

 

Photo CBS

 

 

 

 

 

司会者が、キューバ危機におけるケネディ大統領の不眠不休の働きを挙げ、レーガンに「あなたが同様の環境で働き通せるかどうか不安がありませんか?」と質問した際の切り返し。

 

"Not at all and ・・・” 

全然、そして

 

"I want you to know also I will not make age an issue of this campaign. I am not going to exploit for political purposes my opponent's youth and inexperience." 

 

この選挙戦において、私が年齢を問題にするつもりはないことも知っておいてほしい。私は対抗者の若さや経験の乏しさを、政治的な目的のために利用するつもりはない。

 

そして会場は爆笑に包まれ、論戦の相手モンデールも司会者も笑った。 

 

選挙はレーガンの圧勝に終わった。

 

 

 

動画見て思ったのは、当時の討論会は、まだ品がある。 いつしか大統領候補の討論会は、下品な悪口の言い合いになってしまった。 凋落が始まった米国の余裕のなさは、様々な面で見られる。