レバノンでの攻撃計画承認 ヒズボラとの戦闘激化の恐れ―イスラエル軍 時事通信 

2024年06月19日07時38分配信

 

【カイロ時事】イスラエル軍は18日、声明を出し、「レバノンでの攻撃の作戦計画を承認した」と発表した。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍は連日のように国境地帯で交戦を繰り広げており、戦闘が一段と激化する恐れがある。

 

ヒズボラは18日、イスラエル北部ハイファを上空から撮影したとする映像を公開した。都市部への攻撃を示唆し、イスラエルをけん制したとみられる。

 

 イスラエルのカッツ外相はX(旧ツイッター)への投稿で、ヒズボラに関し「ゲームのルールを変える瞬間が近づいている」と強調。「全面戦争でヒズボラは壊滅される」と警告した。

 

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どこまで本気なのかは不明。

 

というのは、前回2006年の衝突の際、世界のまともな軍事関係者でイスラエルの勝利だったと認識しているのは一人もいないはずだから。 ヒズボラの勝利だったとの認識は、他でもない米国も持っているはずだ。

 

だから考えられる理由は、下記のどれか。

  1. ハッタリ。
  2. 戦争拡大で米国を引きずり込みたい。
  3. 重症のバカが意思決定集団にいる(戦前日本の軍事政権のようなバカ)
 
イスラエル支持者ですら、イスラエルの現状を憂えている。
 
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「イスラエル」は消え去るだけでなく、存亡の危機に:NYタイムズ
 
以下抜粋翻訳 by Kotaroe
 
「私たちが知っていたイスラエルはなくなり、今日のイスラエルは存亡の危機に瀕している」と、アメリカの著名な政治評論家であるトーマス・L・フリードマンはニューヨーク・タイムズ紙 (NYT) に書いている。

フリードマンの記事は、「我々が知っていたイスラエルは消え去った」と主張し、批判を受けた記事のフォローアップとして書かれた。しかし同氏は、その発言をさらに強め、占領を「存亡の危機」に陥れたのは極右のイスラエル連立政権だ、と非難している。

彼は「イスラエル」が直面している、イラン、イエメンのアンサール・アラー(フーシ派)、レバノンのヒズボラ、ガザのハマス、イラクのイスラム抵抗勢力からの脅威を詳述し、彼らは「イスラエルを強力に締め上げている」と述べた。

重要なことに、彼は「イスラエル」はこれらの脅威に対して軍事的にも外交的にも解決策がないことを強調し、ガザ、レバノン、占領されたヨルダン川西岸で戦争の可能性に直面していると述べた。詳細には、著者はヒズボラの高度な軍事能力、すなわちイスラエルの主要インフラを破壊できる精密ミサイルを強調した。
 
「イスラエル」の犯罪性を世界に知らしめる極右連合
 
フリードマンは、ベンジャミン・ネタニヤフ率いる政府のパフォーマンスの悪さと、占領に直面した暗い見通しに焦点を当てた。

ネタニヤフは法的影響を避けるために政府内の権力を統合しなければならないことを説明し、著者はイスラエル首相が「極右ユダヤ人過激派との政府を形成するために彼の魂を売った」と述べた。

フリードマンは、イスラエルが「パレスチナ自治政府とのいかなる協力も拒否している」とし、「ガザを含むヨルダン川と地中海の間のすべての領土に対するイスラエルの支配」を主張することに固執している、と指摘した。

連合はイスラエルの占領に深刻なダメージを与えたが、米国のジョー・バイデン大統領、シオニスト・ロビーのAIPAC、そして多くの議員は、急進的な政府を止めるための行動をまだとっていない、と彼は説明した。フリードマンが言う「悪夢の連合」は、イスラエル占領の本質的な犯罪性を前面に押し出し、全世界が批判し、反対するようにした。

フリードマンの発言は、数十年にわたる占領、民族浄化、地域の社会構造の破壊を否定するものではなく、むしろ「イスラエル」への支持から出ている。著者は、「実用的な中道政権」が占領に向けた最善の方法であり、サウジアラビアとの関係正常化を促進すると考えている。彼はまた、ネタニヤフを追い出し、イスラエルの拡張主義プロジェクトに安定を取り戻すことができる政府を提供するために、早期の選挙を求めています。

「今のところ、イスラエルはガザからさっさと出て、タイムアウトに戻る必要がある」と彼は結論づけた。
 
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Photo Fox News
 
 
イスラエル支持者の悲痛な叫びですな。 でも、認識と指摘は正しい。
 
合理的な判断をするならば、ヒズボラに対する戦闘拡大はあり得ない。 しかし、歴史を振り返れば、非合理的な判断をするリーダーの存在は枚挙に暇がない。
 
これだけは言える。 イスラエルはヒズボラに勝てない。 米軍もヒズボラとは戦いたくない。 ヒズボラに比べれば、フーシ派はままごとの戦闘部隊だ。
 
戦闘拡大となれば、中東の地政学的リスクはまた跳ね上がりかねない。