どうもいい加減なヘッドラインが多いが、プーチンが言ったのは「和平交渉開始」のための条件であり、和平条件ではない。

 

 

プーチン氏、ウクライナに4州からの軍撤退要求-和平の条件提示 Bloomberg News 更新日時 2024年6月14日 21:25 JST

 

  • NATO加盟断念も求める、ウクライナが拒否し続けている内容

  • ウクライナはロシア軍完全撤退を求める「平和サミット」を15日開催

ロシアのプーチン大統領はウクライナに対し、和平交渉開始の条件として、ロシアが一方的に併合を発表し現時点で部分的に占領しているウクライナ東部4州からの軍撤退を要求した。

 

  プーチン氏は14日テレビ放送された外務省当局者を前にした演説で、ロシア軍による停戦と引き換えに、ウクライナはドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリージャの各州から軍を引き揚げる必要があると主張。ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念することも求めた。

 

  プーチン氏の発表は、15日からスイスで開催されるウクライナ「平和サミット」を意識したものとみられる。サミットの狙いは国土からのロシア軍完全撤退を求めるウクライナの和平案に対する支持拡大で、ロシアは招待されていない。和平交渉の条件に領土放棄を突きつけるプーチン氏の提案は、2022年2月のロシア侵攻以降ウクライナが一貫して拒否している。

 

  プーチン氏は「ウクライナ政府がそのような決定を下す用意があり、これらの州から本格的な軍撤退を開始し、NATO加盟計画の放棄について正式に通知を行うなら、ロシア側は直ちに、文字通り寸分たがわずに停戦命令に従い交渉を開始するだろう」と述べた。

 

  ウクライナ政府はロシアが占領地から退くまで、交渉はしない方針を明らかにしている。現状のまま戦争が休止されれば、ロシアは軍の態勢を整えて再び攻撃を仕掛けてくるとみている。

 

  プーチン氏は22年9月にウクライナ4州を併合すると一方的に発表し、4州は「恒久的に」ロシアの一部になると宣言したが、4州のどれもロシア軍は完全に支配していない。

 

原題:Putin Demands Ukraine Abandon Four Regions for Peace Talks (1)(抜粋)

 

 

凍結資産活用は「窃盗」、どの国にも西側制裁リスクとプーチン氏 

By ロイター編集 

2024年6月14日午後 9:30 GMT+9

 

[モスクワ 14日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は14日、凍結したロシア資産が生む利子をウクライナ支援に活用するという西側の計画は窃盗であり、処罰は免れないと述べた。その上で、どの国でも西側の資産凍結の犠牲になる可能性があることを示すと指摘した。

 

プーチン氏は外務省高官との会議で「あらゆる国や企業(政府系ファンド)の資産や蓄えが法的にも経済的にも安全とは言い難いということが明らかになりつつある」と述べ、誰もが西側の制裁対象になり得ると指摘した。

 

 

西側の安全保障モデル崩壊、プーチン氏「協力して新システムを」 

2024年06月14日(金)21時28分

 

[モスクワ 14日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は14日、外務省で演説し、西側の現行の国際安全保障モデルは崩壊しており、ロシアと協力する方法を見つける必要があると述べた。

 

国際安全保障の「西側モデル」の崩壊により、世界は戻ることのできない地点に達したと指摘し、新たにより安定したシステムを構築する時が来たと述べた。

 

「ユーラシア大陸の安全保障を確保するための独自の選択肢を検討し、より広範な国際的議論に向けて提案する必要がある」とし、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)を含む全ての国との議論に前向きであると語った。

 

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今のタイミングで、言うべきことを言っておこうとの意図しかないように思う。

 

誰もが予想したように、キエフ政権は拒絶した。西側メディアもけんもほろろの扱いだ。 NATOは、もっと戦いが続いてウクライナ人にたくさん死んでもらいたいようだから、キエフはその意志に従う。 プーチン自身も、肯定的な反応など全く期待していなかったろう。

 

プーチンが挙げた4州は、確かにロシアが完全占領したわけではないが、そうなるのは時間の問題であることは、NATO諸国もわかっているはずだ。

 

それでも、また自軍の武器在庫を減らして、キエフに供給を決めた国もある。 さすがに軍関係者では、「自国の防衛能力」が危機に瀕しているとの懸念も高まっているようだ。 その決定は、偏に自国が直接戦争に直面することはない、との前提に立っていると想像できるが、普通の国家安全保障の考え方ではない。 欧州議会選挙の結果は、現在の西側指導者の政治生命が危機に瀕していることを示しているが、当人たちは最後の最後まで姿勢を変えないつもりのようだ。 まあ、変えてしまったら、自分の愚行を自ら認めたことになる。

 

凍結ロシア資産の活用に関しては、完全にプーチンの指摘は正しい。 気に入らないから、特定国の資産を凍結したあげくに、それをかっぱらう暴挙は、多くの地域外諸国の資産運用方法と貿易決済方法の変化を加速させるだろう。 それは、欧米への投資の減少、ドルとユーロから離脱を長期的に招く。 まずは、弱い欧州とユーロで、現象が顕著になるだろう。 その兆しはすでにある。

 

 

 

 

新たな安全保障システムが必要だとの見解も正論だ。 言葉を変えれば、機能していない米国主導の安全保障と替わるものが必要だ、ということだ。 すでにその動きは始まっていて、アフリカの2/3の国々がロシアと軍事協定を結んでおり、中東ではイランとアラブ諸国の交流が復活し、BRICSには参加希望国が殺到している。

 

参照

2024.06.09  

アメリカ ついに世界の覇権移動が始まった…!「ジャイアン」アメリカを恐れず、いまBRICSが急速に拡大している「衝撃の理由」現代ビジネス   

 

 

落ち目の米欧日、そしてその御用メディアは、反ロシアのプロパガンダに今後も邁進するだろうが、どこの誰が、それを吹聴していたかを覚えておいた方が良い。

 

ちなみに私は、バカ丸出しの説を唱える大学教授を見つけると、すぐにメモをして、後日人事に渡して、それらの教授のゼミ、研究室の生徒を絶対に取らないように命じている。 現実認識能力、計算能力に不安を持たざるを得ないから。 損得勘定を度外視するバカは、基本的に論理的思考能力、計算能力に欠け、周囲を不幸にする。そして、経験上、99%が語学力が破滅的だ。 

 

日本は、エコノミック・アニマルに立ち返り、全方位外交、全方位貿易、そして原典の製造業強化の道を歩むべきでしょうね。 

 

 

   脳みそがある人間の顔

Photo Foreign Policy                     

                       G7式典で一人徘徊する米大統領