「予想より物価上昇率が低かった ⇒ やったあ! 利下げだ、利下げだ!」

 

これがウォール街とその広報機関メディアの買い煽りパターン。 多くの米個人投資家は、それに同調している。 もちろん、わかっていて祭りに参加している向きもいるだろう。

 

前年比のCPIの推移だけに、目を向けさせるトリックが大手を振ってまかり通っている。

 

 

 

 

しかし、純粋なCPIの推移は下のグラフだ。

 

 

 

問題の本質は、物価が上昇し続けていることだ。 

 

 

さらに問題なのは、平均的な個人収入以上に物価が上昇し続けていることだ。下が、前年比の米国平均時給

 

 

 

つまり、収入の上昇率が徐々に下降しているにもかかわらず、物価が確実に上昇していること自体が問題なのだ。


そして、ウォール街が囃すように、もしFRBが利下げに転じれば、確実に物価の上昇は続く。 さらに、物価高止まりの状況下の利下げで、収入の伸びが物価上昇率を上まるわけがない。 そんな非論理的な経済理論は、さすがに世界中のどんなバカも唱えていない (もしかすると、そんな輩が出てくるかもしれないが (-_-;) )

 

ゆえに、米国民全体の生活を最優先にFRBが考慮するならば、利下げはまだできない。 そうではなく、単なるバブルを長引かせたいのならば、利下げはあり得るが、ドルは下落し、輸入物価コストは加速度的に上昇し、米国民の生活は圧迫され続け、社会不安が増大することになる。

 

しかし、メディアではまともな理屈を取り上げない。 それが、いわゆるG7を中心にした先進国の現実だ。 

 

非合理的な、新興宗教のお題目のような呪文の化けの皮が剥がれる時は必ず来るだろうが、誰かが責任を取るのかどうかは疑わしい。