イスラエル、ラファ最西部に進軍 攻撃強化の恐れ 

2024/06/08 07:24

 

【エルサレム共同】ロイター通信は7日、イスラエル軍が地上作戦を進めるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファで、西端の地中海沿いの地域に戦車が進軍したと報じた。軍はラファ東部で制圧地域を広げ、南部のエジプトとの境界地帯全域も掌握している。ラファ中心部への攻撃を東西から強化する恐れがある。

 

 進軍したのはラファ最西部のエジプト境界近くの地域。戦車が駐留し、狙撃兵が複数の建物を占拠したという。

 

 イスラエルはラファをイスラム組織ハマスの最後の拠点と見なし、5月上旬から「限定的」と主張する作戦を続けている。

 

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世界中から非難されているラファ攻撃を継続するイスラエル。 無防備なガザ住民殺戮をまだまだ止める気はないようだ。

 

しかし、イスラエル内部からは下記のような声も上がっている。

 

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'Israel cannot win against Hezbollah or Hamas': Israeli general 

By Al Mayadeen English 

Source: Israeli media 

7 Jun 2024 16:04

 

「イスラエルはヒズボラにもハマスにも勝てない」: イスラエルの将軍

 

以下抜粋翻訳 by Kotaroe

 

イスラエルのイツハク・ブリク少将は、イスラエルの占領は、ヒズボラとハマスに対峙し、ますます弱体化しているため、失敗する運命にある、と述べている。

イスラエル占領軍はハマスとの戦争で失敗し、ヒズボラとの戦争でも同じ運命をたどるだろう、とイスラエル予備役少将で軍事アナリストのイツハク・ブリックは金曜日、エルサレム・ポスト紙に寄稿した。

ブリックは、IOFがどちらのレジスタンス勢力にも勝てないのは、彼らが勝利を求めないからではなく、
単に勝利することができないからだと強調した。

「戦争が続くたびに、我々の状況は悪化している」と彼は言い、IOFもイスラエル占領軍も、それ自体が内部崩壊に向かっていると断じた。

ブリクは、このような事態を招いたのは他でもない戦争内閣だ、として、戦争内閣のメンバーには「日々の目標はただ一つ」、それは自分たちの政治的立場を守るためであれば、どんな犠牲を払っても戦争を続けることだ、と非難した。

「彼らは止めなければならない。彼らはイスラエルの人々を羊のように屠殺へと導いている。彼らはイスラエルの占領そのものを気にしているのではなく、その中における自分たちの地位を気にしているのだ」と彼は語った。

 

ブリック氏によれば、イスラエル政府は入植者を奈落の底へ導いていると述べ、イスラエル政権の指導者たちが入植者の植民地化プロジェクトを自らの私利のために犠牲にしていると改めて強調した。

 

同氏は、現時点で唯一の解決策は内閣が停戦を宣言し、暴力ではイスラエル人捕虜を連れ戻すことはできない、と認識することだ、と強調した。

 

ラファフは「悲劇的な過ち」だった


ブリックは以前、マーリヴ紙への寄稿で、ガザ南部の都市ラファに入ることは「イスラエル」の利益にはならないと指摘した。

ブリックは、
ラファへの進攻は「イスラエル」を世界から孤立させ、エジプトとの和平を危うくする「悲劇的な過ち」であり、この動きはイスラエル占領組織がガザのパレスチナ抵抗軍に捕らえられた捕虜を取り戻すことを永遠に妨げるだろう、と示唆した。

イスラエル予備役准将は、ネタニヤフ首相との会談に触れ、ラファ入りを避けるべき理由をネタニヤフ首相に繰り返し説明した、と明らかにした。

彼は、ネタニヤフが彼を騙して、彼がその理由に納得していると信じ込ませたが、会議が終わるとすぐに、ネタニヤフは「イスラエル」よりも彼自身の利益を優先したことを明らかにした。

ブリックはイスラエル公共ラジオに対し、
イスラエル軍は「幻想を広め、イスラエル人の目にほこりを投げつけ、真実を語らない」と述べた。

ブリックは、
「イスラエル」には「ハマスを打ち負かすことのできない小規模な軍隊」でしかなく、全面戦争を開始すれば、この軍隊は確実に問題に直面するだろうと述べ、戦闘を停止する必要性を繰り返した。

 

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Photo Al jazeera

 

 

私には、上記のイスラエル軍予備役少将の見解は妥当なものだと思える。

 

ハイテク国家のイスラエルの幻想も、精強なハイテク軍隊の虚像も崩れ去った。 米国の後ろ盾がなければ、あっという間に崩壊する国家だ。 得手とするのは、非武装の市民の虐殺。 

 

そしてラファ攻撃を断行した今、イスラエルの孤立は絶望的なまでに進んだ。

 

結局、米国がいつまでイスラエル擁護と支援を続けられるかという点に、イスラエルの将来はかかっている。 

 

一般米国民の対イスラエル認識はかなり変化しつつあり、若い世代ではパレスチナ支持が高まっているが、政界は違う。 ユダヤ圧力団体とイスラエルの毒饅頭中毒がまん延している。 特に共和党支持者の中核は岩盤のイスラエル支持だ。 

 

しかし、米国も何とかイスラエルを制御しないと、自らの威信が低下する一方であり、援助する資金にも限界がある。 

 

ウクライナのロシア領土攻撃に米国製兵器が使われ出した今、プーチンは「敵の敵は味方」と言う戦略を公言した。 シリア、イラク、イエメンの武装勢力にロシアが本格的に軍事援助を開始すれば、米国とイスラエルにとっては悪夢になるだろう。

 

ネタニヤフの引きずり降ろしを米国は画策するかもしれない。 それでも、イスラエルの本質が変わるとは思えないが。