Russia’s Budget Is Getting Twice as Much Oil Money as a Year Ago 

Bloomberg News 

Mon, May 6, 2024 at 9:08 p.m. GMT+9

 

ロシアの予算は1年前の2倍のオイルマネーを得ている

 

以下抜粋翻訳 by Kotaroe

 

 


(ブルームバーグ) --ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナでの戦争を推進するための資金の流れを制限することを意図した国際的な制裁にもかかわらず、ロシアの4月の石油収入は前年比で2倍以上になった。

財務省のデータを基にブルームバーグが算出したところによると、石油関連税によるロシアの歳入は先月1兆530億ルーブル (115億ドル) と、2023年4月の約4970億ルーブルから大幅に増えた。4月の石油・ガス収入は前年比90%増の1兆2300億ルーブル。

ロシアの原油価格の上昇が予算収入の増加を後押しした。連邦税務当局のデータによると、4月の州税はウラル原油価格 (バレル当たり70.34ドル) に基づいて算出された。先進七か国 (G 7) がロシア産原油の輸出価格に上限を設けたことを受け、ウラル原油価格は前年同月の48.67ドルから上昇した。

ルーブル安も歳入増に寄与した。4月の課税額は、国税庁のデータによると、為替レートが前年比20.5%安の91.69ルーブルで計算されている。

ロシアの石油部門は国家予算の重要な財源であり、これには、現在3年目となるクレムリンのウクライナ侵攻を支援するために今年予定されている軍事支出の大幅な増加が含まれる。米国とその同盟国は、これに応じて数ラウンドのエネルギー制裁を課し、プーチンの戦争資金調達能力を低下させようとしている。

欧米の海運や保険サービスの提供も制限されているが、影響は軽微だ。ロシアは、タンカーの影の艦隊を展開し、非西側の石油購入者の輪を拡大することによって、価格上限を回避することができた。

 

世界の保険業界の中心的組織である国際P&Iクラブグループは先月、上限価格政策は「ますます遂行不能になっている」と結論づけた。一方、インド最大の石油精製業者は先週、制裁を受けた運送業者ソブコムフロートが所有する船舶でロシア産石油の輸入を再開し、今年初めに強化された米国の制裁によって中断された配送の回復に道を開いた。

制裁にもかかわらずロシアが堅調な収益を上げている3つの理由:

(i) 原油価格は、堅調な世界需要、制約された供給及び地政学的プレミアム、(ii) 制裁連合以外の荷主、保険及び顧客への依存度を高めているロシアの新たに構築された輸出インフラ、及び (iii) 輸出業者のキャッシュフローに対するロシアのますます厳しい管理によって支えられている。

ロシアのエコノミスト、アレックス・イサコフ氏

ブルームバーグの試算によると、ロシアの4月の石油・ガス収入は3月に比べて約6.4%減少した。いわゆる利益課税は主に3月、4月、7月、10月の年4回行われるため、この2カ月は伝統的に予算の押し上げ要因となる。

国の燃料生産者に支払われる多額の補助金がなければ、4月の国家予算に対する石油収入は増加していただろう。財務省によると、政府はディーゼルとガソリンの国内供給のために約1870億ルーブルを企業に支払った。この支払いの一部は、ロシアと海外の自動車燃料価格の差をメーカーに補償することを目的としている。

ブルームバーグ・エコノミクスの試算によると、ロシアは2024年に約1260億ドルの石油・ガス税を徴収する。ブルームバーグ・エコノミクス・ロシアのエコノミスト、アレックス・イサコフは、この数字は「現政府の予測をほんの少し上回る。」と述べた。

「北海ブレント先物が95ドルを超えれば、ロシアの軍事予算は収支とんとんとなるが、ロシアの財政状態は原油価格が70ドルを超えても比較的維持可能とみられる。」と同氏は述べた。

 

 

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そして、EUはまたまた追加対露経済制裁を検討している。

 

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ロシア産LNG制裁検討 EU、積み替えを禁止  共同

2024年5月7日 6:46

 

【ブリュッセル共同】ロイター通信などは6日、ウクライナに侵攻したロシアに対する欧州連合(EU)の新たな制裁として、ロシア産液化天然ガス(LNG)のEU域内港での第三国向けの積み替えを禁じることを検討していると報じた。ロシアがLNGから得る収入の削減が狙いだ。

 

EUなどが設定したロシア産原油の価格上限を超えた取引を確実に阻止するため、上限を回避して原油を輸送する船舶が域内港を使うことの禁止も検討している。

 

 EUは政党やシンクタンクがロシアから収益を得ることを禁止し、イズベスチヤなどのメディアを制裁対象に加えることも目指している。

 

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正直に言えば、ロシアのエネルギー収入の中身は、私が1年前に予想したものと全く違う結果になった。 

 

私は、ガス収入がもっと大きく、逆に原油がもっと少なくなると予想していた。

 

ロシアのガス収入が減ったのは、言うまでもなく欧州市場のシェアを失ったことが大きな理由だ。 もう一つ、暖冬によって北半球ガス需要が盛り上がらず、価格が低迷していることにある。

 

Nat. Gas週足

 

天然ガス価格は、ウクライナ紛争勃発時の半額に落ち込んでいる。

 

当然ロシア産ガスの価格も安くなっているわけだが、ロシア中国を結ぶ大型パイプライン「シベリアの力2」がまだ計画段階であり、爆破されたノルドストリームに匹敵する販売量を確保することができていない。 薄利多売路線にドライブできない。

 

一方、ノルドストリームが止まった欧州は、LNGでガスを確保しているが、バカバカしいというか、情けないことに、その中にロシア産が含まれている。そしてそれらが欧州に到着すると、他市場に転売される部分もある。

 

その転売部分を止めようとしているのが、上記検討案だ。 弱腰が見え隠れするのは、欧州消費分を止めようとしていないことだ。

 

今まで起きたことが、また起きるのなら(当然そうなる)、その転売ビジネスを他国、おそらくインド、中国が引き継ぐだろう。 

 

単純に、それに従事していた欧州企業の仕事が、他国の業者に奪われるだけだ。

 

自国経済が傷つくブーメラン制裁は、もはや西側の得意技になってしまった感がある。

 

ところで、世界のガス価格がこんなに安くなっているのに、我が国は恩恵がない。

 

それは、あのバカがホントに根っからバカだから。

 

 

   選挙大敗に自らがとどめを

                    

                       円安妖怪スダレ禿げ