当ブログで再三「こうなる」と予想してきたことが、現実になってきた。

 

 

 

De-Dollarisation Is Happening at a 'Stunning' Pace, Jen Says

 

脱ドル化は「驚異的な」ペースで進む、ジェン氏

 

以下抜粋翻訳 by Kotaroe

 

スティーブン・ジェン氏によると、多くのアナリストが昨年の為替レートの乱高下を考慮していないため、ドルは一般に受け入れられているよりも速いペースで準備通貨としての地位を失っている。

ジェン氏とユーライゾンSLJキャピタルのジョアナ・フレイレ氏は、
ロシアのウクライナ侵攻を受けて多くの国が代替通貨を模索したため、外貨準備に占めるドルの比率は昨年、過去10倍のペースで低下した、と指摘。為替レートの変動を調整すると、ドルは2016年以降で市場シェアの約11%を失い、2008年以降ではその倍になっているという。

ジェン氏とフレイレ氏は「
ドルは2022年に準備通貨としての市場シェアが急落した。恐らくは制裁の強引な発動が原因だ」と指摘。「アメリカとその同盟国がロシアに対してとった例外的な行動は、(主にグローバル・サウスの新興国を中心とする) 主要な外貨準備保有国を驚かせている」という。

ジェンは、ドルスマイル理論を提唱した元モルガン・スタンレーの為替の第一人者です。

ブルームバーグが算出するドル指数は昨年、最大16%上昇した。内戦を背景に世界的なインフレ率が高まり、広範な利上げにつながって債券・為替市場が下落した。年初来では6%上昇した。


米国と欧州が国際金融メッセージングサービス「SWIFT (国際銀行間通信協会) 」からロシアの銀行を排除したことを受け、中国とインドは貿易決済のために自国通貨の国際化を進めている。また、ドルが恒久的な政治ツールになったり、経済的な政治手法の一形態として利用されたりして、各国が同意しない制裁を実施するように圧力をかけることも懸念されている。


ただ、ジェン氏とフレイレ氏は、発展途上国は大規模で流動性が高く、十分に機能している金融市場のためにドルから資金を引き揚げることができないため、国際通貨としてのドルの役割が当面脅かされることはないと指摘。

ただ、こうした状況が続くことは「想定されていない」とし、
世界がドルの使用を積極的に避ける時期が来るかもしれない、との見方を示した。

準備通貨としての米ドルに対する『見るべきものは何もない』という一般的な見方は、あまりにも無難で自己満足に思える」とした。「投資家に理解してもらう必要があるのは、グローバル・サウスはドルの使用を完全に回避することはできないが、多くの国はすでにドルの使用に消極的になっているということだ」。

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上記では触れていないが、貿易決済におけるドルの使用を避けるだけでなく、ドルで資産を持つことも避ける動きが出ているはずだ。

 

当たり前だ。 気に入らないからと言って、突然ドル決済システムから排除したり、米国滞留資産を凍結したり、挙句のはてにその没収・流用まで始めようとする国の通貨はリスクがあると考えるのは極めて合理的だ。 そんなおっかない国に自国資金を投資して資産を置いておくこともオソロシー!と考えない方がおかしい。

 

そういうめちゃくちゃをやっても、「米国は特別で大丈夫だ」と宗教的とも言うべきお題目を唱えているのは、現米政権幹部だけでなく、各大統領候補もそうだから、もう救いようがない。

 

しかし、内緒で対露経済制裁の一部を解除したりしているから、そろそろヤバイことに気づき始めている連中もいるのだろうが、大半はまだおかしい。 

 

国際政治での米国のめちゃくちゃぶりを見ていれば、もう実証的、合理的に考え、かつふるまう能力がなくなってきているとしか思えない。 

 

帝国の崩壊の序曲。