米国務省にイスラエル不信も 供与武器使用巡って ロイター

更新2024/4/28 07:51

 

【ワシントン共同】ロイター通信は27日、米国がイスラエルに供与した武器がイスラム組織ハマスとのパレスチナ自治区ガザでの戦闘で、国際人道法に沿って使われると信じる証拠はないとの意見が米国務省内部で出ていると報じた。

 

 バイデン大統領は2月、米国法や国際法に違反しないように米国提供の武器を使っているとイスラエルに書面で保証させた上で米議会に報告するようブリンケン氏に求めていた。報告期限は5月8日。

 

 国務省で人権や難民、国際機関などを担当する4部局は、国際人道法違反への「深刻な懸念」を表明。イスラエルが多くの民間人を攻撃しながら、ほとんど対応や調査をしていないと指摘した。

 

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英文報道を見ると、

 

民主、人権、労働の4局が、外交官らが国際法違反に関する「重大な疑問」を生じさせたと外交官らが主張する活動の8つの例を挙げ、「イスラエル」の約束は「信用も信頼もできない」と結論づけた。

 

報告で指摘された事項

「民間インフラや保護地域に対する度重なる空爆」、

「軍事的な利点を得るために、容認し難いレベルの民間人の殺傷」

「違反行為の調査や重大な民間人被害に対する責任追及がほとんど行われていないこと」

「人道支援活動家やジャーナリストが前例のない速度で殺害されていること」

「人道支援施設を標的にしたことに加え、支援物資輸送トラックの通行拒否や人為的検査制限など、イスラエル軍による、人道支援を恣意的に制限する行為が11件あったこと」

 

しかし、イスラエルを支持する部門もある。

 

反ユダヤ主義監視・対策特使室とジャック・ルー駐イスラエル米国大使は「イスラエル」の保証は信頼できるものであると判断している、と報告されている。また、政治軍事局からの提出物の1つでは、米国の兵器の停止はイランからの「挑発」を促進する可能性があると報告している。

 

つまり、米国政府内部で、深刻な意見の対立がある。

 

 

そうした中で、米国の大学での親パレスチナデモと、それらの弾圧逮捕は拡大している。

 

Photo India Today

 

Over 700 pro-Palestine protesters arrested in US college crackdown 

By Al Mayadeen English 

Source: Agencies 28 Apr 2024 00:21 

The United States has thus far arrested more than 700 pro-Palestinian protesters as universities all over the US are protesting the Israeli genocide.

 

パレスチナ支持派700人超を逮捕、米大学当局が弾圧

 

米国中の大学がイスラエルのジェノサイドに抗議する中、米国はこれまでに700人以上の親パレスチナデモ参加者を逮捕した

 

 

 

日本でも、米国の各大学に警察が介入し、学生のみならず教員まで手あたり次第逮捕されている様子が報道され始めた。

 

「私は教授です」デモ現場で教員を警察官2人が地面に押さえつける動画が拡散 

アメリカ イスラエルによるガザ地区への攻撃に抗議するデモが、アメリカ各地の大学に広がっている 

ハフポスト日本版編集部 2024年04月27日 14時26分 JST

 

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモが、アメリカ各地に広がっている。デモに参加した多数の学生らが警察に逮捕されている。

 

拘束されたのは学生だけではない。大学の敷地内で教員らが警察によって取り押さえられる動画が、SNS上で拡散されている。

 

CNNは、取材班がアメリカ・ジョージア州のエモリー大学のキャロライン・フォーリン教授(経済学)と哲学科のノエル・マカフィー教授がアトランタ警察に拘束された場面を目撃したと報じている。

 

当時、フォーリン氏が学生に対する警察の暴力的な逮捕行為や武力行使に懸念を表明している声が聞こえたという。

 

現場を捉えた動画には、デモ参加者を取り押さえている集団に近寄り、「何をしているのか」と声を掛けたフォーリン氏とみられる人物が、制服警察官に腕を掴まれて地面に倒される様子が映されている。拘束時の衝撃で、フォーリン氏が頭にかけていた眼鏡は地面に飛ばされた。

 

フォーリン氏は「Oh my god!」と何度も叫び、ひどく動揺していることがわかる。さらに、近くを通りかかった別の制服警察官が教授を力づくで押さえつけ、後ろ手にして手錠をかけた。

 

「私は教授です」とフォーリン氏が訴える声や、警察の行為に対し「恥を知れ!」と抗議する声も記録されている。

 

別の動画には、警察に連行されるマカフィー氏に「何かできることはありますか」と尋ねる質問に対し、「哲学科に電話をしてもらえますか。逮捕されたことを伝えてください」「私はノエル・マカフィーです。哲学科長です」と求め、撮影者が「わかりました」と応じる様子が捉えられていた。

 

エモリー・イーコン教授の瞬間のこの CNN ビデオは一見の価値がある。彼はキャンパス内で抗議活動参加者の暴力的な逮捕に遭遇し、衝撃を受けて、警察に「何をしているの?」と尋ねた。それだけで警官は彼女を地面に投げ倒し、手錠をかけた。

 

 

 

アトランタのエモリー大学哲学学科長ノエル・マカフィーは、キャンパス内での親パレスチナ抗議活動中に逮捕された。

 

 

 

米国のイスラエル支持・擁護は、今や国内外からの圧力にさらされ、それが日々増している感がある。

 

どう考えても、米国の威信と国益にプラスになる状況とは言えず、大統領選を控えてイスラエル支持を掲げることが各候補者にとってマイナス材料になる可能性が高くなってきたように見える。 すでに世論調査でも、それが裏付けられている。 

 

にもかかわらず、両党どちらの候補者も、イスラエル支持のスタンスを変える兆候はなだない。 

 

民主党支持者のイスラエル不支持が多いことから、どちらかといえば、バイデンの方がダメージが大きいように思うが?

 

ところで、もう米国が国際政治の舞台で「言論の自由」とか「表現の自由」とか言っても、世界の大半の国は鼻で笑うでしょうね。 たぶん、米国民の過半数がそれを信じていない。 

 

帝国の壮大な崩壊劇の序幕段階でしょ。