フーシ派“アデン湾でミサイル攻撃” 米軍“貨物船の3人死亡” 

2024年3月7日 10時11分

 

抜粋

 

イスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスとの連帯を掲げるフーシ派の報道官は、6日、SNSに「アデン湾でアメリカの船舶に対し複数のミサイルで攻撃を行った。攻撃によって、船舶で火災が発生した」と投稿しました。

これについてアメリカ中央軍はSNSで、アデン湾を航行中のバルバドス船籍の貨物船が6日、フーシ派の支配地域から発射された対艦弾道ミサイル1発の攻撃を受け、現地の報告から、3人が死亡し、少なくとも4人がけがをしたと明らかにしました。

けがをした4人のうち3人は重体だということです。

また、船体も大きな損傷を受け、乗組員はこの船舶から避難したということです。

フーシ派は去年11月以降、紅海周辺で船舶への攻撃を繰り返していますが、地元メディアなどによりますと、フーシ派が一連の攻撃を始めてから死者が出たのは今回が初めてだと伝えています。


アメリカ軍などは、フーシ派の拠点に攻撃を行ってはいるものの、フーシ派による船舶への攻撃は収まっておらず、紅海周辺での航行への懸念が一層強まっています。

 

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いつも同じトーンで話す報道官

 

 

とにかく、船の所有権、貸借関係、運用にからむ権利、目的は多岐にわたって数か国、数社が絡んでいる。 そのどれかに、イスラエル、米国、英国が絡んでいれば、攻撃される可能性がある。

 

フーシ派は紅海を、「事前許可を得てから通行しろ」と言っているから、まあ、それに従って「通っても大丈夫だよね?」と確認してからバブ・エル・マンデブ海峡に入るのが無難ですな。

 

そして、米英軍の「繁栄の守護者作戦」は、「繁栄の妨害者作戦」と化しているから、保護も鎮静化もあてにできない。

 

また、米英軍は「報復」攻撃を続けるのだろうが、それらに使う弾薬、燃料は従来の防衛予算には含まれておらず、補給も持続不可。 おまけに、ミサイル、ドローンともフーシ派使用のそれよりも1000倍ぐらい高い。 

 

それでもって、フーシ派への抑止力が現実にないとなれば、米英の威信もへったくれもない。

 

そして、米英軍艦への攻撃も続いている。 

 

さらには、イラクの武装勢力が、イスラエルの地中海側の港を攻撃している。

 

 

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米駆逐艦2隻がイエメン軍の攻撃受ける 

3月 06, 2024 20:02


イエメン軍は、紅海上で米駆逐艦2隻を攻撃したと発表しました。

イエメン軍のヤフヤー・サリーア報道官は声明を発表し、同軍が5日夜、紅海上で米駆逐艦2隻を海上ミサイルや無人機で攻撃したとしました。

その上で、シオニスト政権イスラエルによるガザ攻撃・封鎖が終わるまで、イエメン軍は紅海上での作戦を続けると強調しました。

イエメン軍は、イスラエルがガザ攻撃を続ける限り、紅海を通過するイスラエル船舶およびイスラエル占領地の港湾に向かう船舶を攻撃対象とすると表明しています。

イエメン以外にも
イラク・イスラム抵抗運動が6日未明、イスラエル占領地のハイファにある空港の発電所を無人機で攻撃したと発表しました。

この組織もイエメンと同様、パレスチナへの支持と米国によるイスラエル支持への非難として、イラクやシリア国内にある米軍基地やイスラエル占領地内にある目標を無人機やミサイルで攻撃しています。

昨年10月に始まったイスラエルによるガザ攻撃では、これまでに3万人以上のパレスチナ人が殉教し、7万人以上が負傷しています。

 

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観察していて気づいたのは、どうもフーシ派は本気で米英軍艦を攻撃していない(少なくともこれまでは)。 彼らの保有している地対艦ミサイルとドローンの数(数千発、数千機は少なくとも保有)を考えると、集中的な飽和攻撃をすれば、2,3隻の駆逐艦を簡単に撃沈できるはずだ。それをしない。 なぜか?

 

おそらく、その場合の米国の過剰反応(例えば、戦術核を使え、と騒ぐネオコン毒饅頭勢力が必ずいる)を避ける意図があるかもしれない。 ただし、過剰反応には過剰反応の報復が伴い、行きつく先は最悪の場合、35ある米軍中東基地の消滅、付近に展開する米英艦隊が海底艦隊と化す結果を覚悟しなくてはならない。 米国が調べて公表しているイランの保有ミサイルの種類と数量は、それが実行可能である事を示している。

 

もう一つ考えられるのは、米英軍、特に米軍をジワジワ消耗させる戦略を遂行している可能性だ。従来の予算外の軍事行動を強要されて泥沼に浸っている米国は、いずれ他の軍事費を削るか、赤字国債増発による軍事予算増のどちらかを選択するしかない。

 

赤字国債増発は、格下げされた米国債のさらなる劣化につながり、米国長期金利は飛躍的に上昇する。他の軍事費削減の選択は、ウクライナ援助かイスラエル援助、あるいはその両方が対象となる。 おそらく極東の予算は、削りにくいのではないか?

 

こういう戦略を誰が立案しているのかは、推察が困難だ。 武装勢力同士のコミュニケーションによるものか、イランが背後にいるのか? もしかすると、ロシアと中国も背後にいてコンセンサスができているのか?

 

でも間違いなく、米英は泥沼にハマっている。

 

そして深刻なのはイスラエル経済だ。 紅海を封鎖されて海上輸送コストが跳ね上がっていることに加え、今度は地中海側の港まで攻撃されるようでは、物流が途絶え、物価が高騰して、日干し状態になってしまう。 

 

時代が、こうも早く変わっていくのか、と少し衝撃を受けている。