背景については、日経新聞の記事の一部を引用する。

 

FRBがこの日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の事前予想通り、政策金利の誘導目標を5.25〜5.50%で据え置き、3会合連続で利上げを見送った。パウエル議長は会合後の記者会見で「FOMC参加者は追加利上げの選択肢を排除することは望んでいない」と語ったが、その可能性は高くないとも述べ、市場は既に利上げは終わったとみる。

 

同時に示した四半期に1度の経済見通しでは、24年末の政策金利の予想を参加者の中央値で4.6%とした。0.25%の利下げ3回分に相当する。市場では、FRBが前回9月に示した「24年に2回の利下げ」という予想を維持するとの見方もあっただけに、より利下げに前向きになったとの受け止めが広がった。

 

パウエル氏は会見で、景気悪化に対して利下げ転換が遅れるリスクを問われ「そうした過ちを犯さないよう集中している」と語った。これまでの大幅利上げの効果が時間差で強まり、引き締めすぎになるリスクにも配慮する姿勢をにじませた。会見内容は「FOMCの(金融緩和に前向きな)ハト派的な転換を裏付けるものだった」とJPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ氏は指摘する。

 

金利先物市場の動きから政策金利の先行きを予想するフェドウオッチによると、FRBが24年3月会合までに利下げに動く確率は前日の約4割から13日夕には8割弱に上がった。24年末までに0.25%の利下げを6回以上実施するとの予想も6割を超えた。8日発表の11月の雇用統計が事前予想より強かったことなどを受け、市場の早期かつ大幅な利下げ期待はいったん後退していたが、再び勢いづいている。

 

FOMCの経済見通しでは24〜25年にかけてインフレが徐々に鎮静化する一方、実質成長率は緩やかな減速にとどまり、失業率は大幅には上昇しないという軟着陸シナリオを維持した。こうした見立ても株式投資家のリスクオン(選好)につながった。

 

ということで、ダウは史上最高値更新。

 

ダウETF

 

  • 5連騰。
  • BBの2σ突破。
  • オシレータの加熱は、史上稀に見るレベル。
  • 流入資金は頭打ち気味。

 

予定通り、昨夜からダウのショートを開始した。

 

 

参考資料の一部

 

①FRBのドットチャート

 

 

今までの見た中で、こんなにバラつきがあるのは記憶にない。 そのバラつきの平均値に、どれほど意味があるのか?

 

②米国CPI

 

 

これで、利下げを議論できると考える純経済的理由がわからない。 

 

ちなみに、ウォール街が好むコアCPIは、見た目上のインフレ率を抑え込むために、原油や食品などをCPIから除外したもので、史上最悪のFRB議長と言われるアーサー・バーンズが導入したものだ。 動機は、当時のニクソン大統領へのゴマすりだった。

 

③米国債市場と長期金利

 

FRBが短期金利を操作しても、長期金利は米国債の売れ行きに左右される。 米国債が下落すれば、長期金利は上がる。

 

米長期国債ETF長期

 

暴落過程の中での短期リバウンドが続いているが、底打ちの保証はない。どれほどの海外資金を引き付けられるのか、深刻な疑問がある。 理由は、偏に米国の財務状況だ。 すでに米国債保有者の海外比率は、10年前の43%から、現状30%まで減少した。 今年は格付け会社の米国債の格下げが相次いでいる。 さらに減少が続く可能性は高く、長期金利が低下するというシナリオには現時点で合理性がない。 にもかかわらず、FRBが利下げの可能性を公言することには、政治的な動機、つまりは政権からの圧力を疑われても仕方がないだろう。 

 

④引き締めは継続

 

パウエルは、利下げの可能性を語る一方で、FRBのバランスシートの圧縮は続けていく、という。 それは金融政策の矛盾だ。 

 

FRB Balance Sheet

 

赤のラインが、従来の圧縮目標地点だが、それを目指しながらも利下げをするという矛盾は、金融市場に混乱を招き、不安定にする。 制御不能に陥る可能性がある。

 

⑤指数的矛盾

 

ダウは年初来高値更新を続け、ついに史上最高値を更新した。 しかし、ダウ輸送は異なる。

 

ダウ&ダウ輸送

 

ダウ輸送は、年初来高値すら更新していない。 ダウの直近の上昇が、かなり異常だ。

 

 

 

 

挙げればキリがないが、今日の指摘はこのくらいにする。

 

これらの矛盾、あるいは欺瞞が是正される日は来ると思うが、それがいつ具現するかは不明だ。 相場は、いつもその点が難しい。