台湾周辺に中国軍33機 麻生氏訪問に反発か 

2023年8月10日 12時14分 (共同通信)

 

【台北共同】台湾国防部(国防省)は10日、中国の軍用機延べ33機が同日午前6時(日本時間同7時)までの24時間に台湾周辺で活動したと発表した。うち10機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越えたり、台湾の防空識別圏の南西部に進入したりした。

 

 中国軍は昨年8月以降、台湾周辺での軍事活動を常態化しているが、33機は比較的多い。自民党の麻生太郎副総裁が7~9日訪台し抑止力強化などを訴えており、反発した可能性がある。

 

 軍用機は戦闘機「殲16」や「殲10」など。軍艦延べ6隻も活動した。台湾国防部は「台湾軍が厳密に監視し対処した」と強調した。

 

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Photo Reuter

 

 

人騒がせが得意な麻生さんが、訪台時に取った言動に対する意思表示ということなんでしょうな。

 

今回の麻生さんの言動は、昨年の米国下院議長(当時)ペロシ婆がやったことと、質的にあまり変わらない。 中露が接近して、合同軍事演習などやっている時期に、わざわざ台湾に行って悶着を起こすのは賢いとは思えない。 

 

発言自体は、全体の文脈からは、まあさほどおかしなことを言っているわけではない。 もちろん、「『戦う覚悟』と言ったって、あんた自身は戦う気ないでしょ? 誰に命を懸けて戦わせる気なんだ?」という尤もな批判も出るだろうけど。

 

発言が日本国内で行われたなら、脅しすかしなんでもありの外交戦術の一環としてギリギリ許されるだろうが、何も出向いて騒ぎを起こすことも無かったろう、というのが率直な感想だ。

 

そもそも、日本と台湾は正式な外交関係を確立しておらず、建前上は台湾は「一つの中国の中の一地方」に過ぎないから、国と国の安全保障条約、つまり軍事同盟も存在しない。

 

よって、台湾が中国に侵攻されても、日本の軍事力(自衛隊)がこう動く、というプロトコルは皆無だ。 

 

そして、そんなことは台湾サイドもわかっている。 さらに、中国もわかっているだろう。 ただし、気に障ることは間違いない。 だから、上記ニュースのような威嚇行動に出た。

 

鬱陶しいのは、嫌がらせで軍事演習などを台湾周囲で行うことが常態化すれば、日本の海上貿易ルートの安全確保という課題が生じる。 対応準備すれば、金がかかる。

 

だから、こういう刺激行動はバカバカしいのだ。 麻生さんもボケが始まったかなあ。

 

ちなみに、私の台湾の友人たちは極めて冷静で、みんな麻生さんの発言はリップサービスだと理解しているようだ。 そして、何か事が始まりそうな気配になったら、台湾を逃げ出す気満々ちゃんだ。 彼ら、彼女らは、もう何年もかけて最悪の事態を想定して準備して来た。 中国語も英語もできず、台湾をろくに知らないくせに「反中親台」をわめくIQ二桁の痴呆老人(若年性痴呆含む)たちは、そんなことを知らない。

 

さらに言っておくと、多くの台湾ビジネスマンは、未だに中国本土にもビジネスの拠点を持っている。 だから、何とかバランスが保たれている現状維持が彼らの希望なのだ。 バカが考えているほど、事情は単純ではない。