かつてベルクソンの「笑い」という本を読んだことがあるが、いまさらながら、笑いについて思索した哲学者がかなりいたことに驚いている。古代ギリシャの哲学者からカント、ニーチェ、アラン、フロイト、さがせばまだまだいるだろう。

各人、笑いについての評価はさまざまで、それは笑いの機能の多様性に依拠するのだと思う。人々が笑うという行為をすることにはさまざまな理由がある。喜びを表現する、緊張感をほぐす、余裕を見せる、なんらかの感情を隠す。共同体の視点からみれば、笑顔が見せ合うことは安心感、信頼感を作り上げることにつながるが、強制的になるとまたおかしくなる。

とこんなことを考え始めたきっかけは、見事大学の一次選考を突破した生徒の二次選考の課題「大学で勉強したいこと」というテーマ作文を一緒に考えたことからだった。明るい生徒だが、大学行くのにどこかふらふらして、今後心配だが、持ち前の笑顔を大切にして、笑いについて4年間じっくり研究してほしいと切に祈る。