よく読む。だけではなく、よく書くこと。先日、卒業を迎える生徒に向けて、2回にわたり、宮沢賢治をテーマに授業する機会をいただき、いろいろ調べたのだが、賢治は短歌や詩、童話はもちろん、知己への手紙など、とにかく文章を書きまくっていた。2回目の授業では、「銀河鉄道の夜」を扱ったが、永久の未完成こそこれ完成である、という彼の言葉通り、何度も何度も書き直されている作品であることを知った。それこそ宇宙の生成と同じように、どこまでも。どごまでも終わりなどないのである。
賢治の世界に久しぶりに触れてみて、みんなのさいわいのために生きる、というビジョンのどうしようもない大きさに圧倒される。
おいおい、「みんな」を愛する、ってどういうことなの?少なくとも俺は不可能だね、と、触れてしまうのが、普通のことだね。
その突破口の片鱗を、ベルクソンの思想から垣間見た気がした。本日はここまで。