新年早々、手に取った本は、「紫式部日記」であった。道長から無茶振りされても、即座に返歌できる才を持ち合わせ、それがゆえに、他の女房から嫉妬されるのを恐れつつ、出過ぎた真似をしないでおこうとする式部のあり方はなんだかいじらしく思う。出家しようと思えども、世の中の目もやはり気になる。生きづらさからくる虚しさは、どの時代も変わらない。昨年からだらだらと読みつつ、ようやく完読したが、登場人物、作中の和歌や言葉を細かく味わいながら、再読したい。なにより、服装に関わる描写が色彩豊かで。興味深い。敦良親王出生五十日の節では、装束の色合わせがよくなかった、などと言ったファンション批評のような描写もあり、いやいや、社交界は今も昔も、女性の目が厳しいようである。


公家女房晴れの装い | 日本服飾史男子の束帯にあたる成年婦人の朝服で、宮中の正装である。唐衣裳姿ともいわれ、今日俗に十二単と呼ばれている。このような姿は平安時代中期、十世紀後半には成立したと考えられる。これは中後期、十一・二世紀頃...リンクcostume.iz2.or.jp