今日は、古巣の劇団の公演を見に行った。ドイツの劇作家、ブレヒトの作品「コーカサスの白墨の輪」。戦乱に揺れるグルジアの民衆の混乱を描いた作品。ちなみに、グルジアって知らない人いるかもしれないけれど、今、冬季オリンピックが行われているソチのすぐ南にある国。古来から交通の要衝であり、大国に挟まれていたことから、紛争が絶えない地域でもあったが、それだけに、他にはない独特な文化が花開いたのではないか。偉大な芸術家もずいぶん輩出しているらしい。日本だと、沖縄が近いのかな。気質はだいぶ違うと思うけど、歴史的に置かれてきた状況は近い気がする。
強いものに蹂躙されながらも、民衆は、自分たちの意志や感情をなんとか伝え、受け継ごうとする。昨日のブログの続きみたいになるけど、その手段の一つが歌なんだろう。この作品にも、演者が歌うシーンがずいぶんと出てくる。その中には、時代が変われど、我々現代人が共感できる歌詞が出てくる。今も昔も変わらない何かがあると、改めて気づかされる。

では、権力は永遠に絶対だろうか。
強いものの前では、弱いものは、永遠に、ただただ従い続けなくてはいけないのか。歴史の変遷を考えれば、簡単に状況が変わるとはいえない。が、少なくとも、そうではないという考えを引き継いで、伝えていく必要がある。 この作品の意義はそこにある気がする。また、グルジアにしろ、沖縄にしろ、自分たちの生活が脅かされる中でも、それぞれのやり方で、自分たちのアイデンティティを守ろうとしてきたはずだ。その知恵は、全世界にとって有益なものとなるのではなかろうか。
その辺りを探求するのも、自分のライフワークかな、と思ったり。

芝居はいつもよりも自由な感じで、純粋に観客として楽しみました。
この作品を観ると、いつも元気が出ます。エネルギー発散するぞ!

東京ノーヴイレパートリーシアター
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