レパートリーシーズンに入って、一週間が経とうとしています。今週は、新しく始めた仕事で、なれない環境でバタバタしていますが、10日は、「白痴」、今週末11日の土曜日は、出演作品の「イワーノフ」が初日を迎えることになります。僕が初舞台を経験したのもこの「イワーノフ」で、今年で個人的には3年目、チームとしては、4年目になります。4年の間、メンバーもずいぶん変わりましたが、難解な作品をなんとかここまで継続してきたことは素晴らしいことです。4年もやると、自分自身も作品全体も、どんどん変わって行きます。もちろん停滞もあるけど、植物と同じように、水をあげ続ければ、新しい命が生まれてくる。僕が、観客として、劇団と関わっていたときから感じていたことです。本格的に俳優活動を始めて、そろそろ3年。この作品で、今までにない新しい命を生み出してみたいですね。それこそ、今まで作ってきたものをぶち壊して、かなぐり捨てるのは大変だけど、そうしないと、作品も成長しないし、自分自身も面白くならない。監督も、新しい、面白い「イワーノフ」を作れ、といって、ロシアに帰って行きました。新作の「白痴」ももちろん観て欲しいけど、「イワーノフ」でチャレンジする姿にもぜひご注目ください。

イワーノフのことを書きながら、創造へと駆り立てるものが何かを知っておくことが大切なんだな、と改めて思いました。責任感や使命感が今まで大きな力になったけど、そういえば、僕は、新しい自分を見つけるために演劇を始めたのかもなあ、そしてそれが楽しくてはまったのかなあ、とふと思いました。原点回帰。自分を見つめ直し、最初からやるつもりで挑みます。