「人間って何で生まれてきたの?」


「そりゃ生まれてよかったなあと思うためじゃないか」


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昨日の夜、男はつらいよ「寅次郎物語」を観た


死んだテキヤ仲間の息子の母親を旅をしながら


探し当てる旅


やっぱいいね


おそらくシリーズの中でも相当の傑作ではないか


まためずらしく


男はつらいよお決まりの美しい女性に振られるということがない



母親が見つかった時の引き際があざやかでね


追いすがる子供をなだめて船で帰っていく


港を出た船を追いかける子供がけなげでね


思わずじんときた


粋だね


寅次郎にとっては人のために動くということが自然なことなんだろうな

旅に行かず働かないで休むよう勧めるさくらに寅次郎は言う


「働くってのは妻のため、子供のために汗水流して働くことさ。

俺たちははったりかまして、客もそれを承知で物を買って、

それでおまんま食ってるのさ」


俳優に通じるところがあって泣けてきたが


寅次郎は自分自身をあざ笑うように話しながらも


人生の中で筋を通そうとする


人のために自分を粉にして必死に動く


決して恩着せがましくはしない


うまくまとまらないけど


どんなに人間が変わったとしても変わっちゃいけない筋を守ろうと


寅次郎はいつも思っているのではないかなあと思う