先週末の出来事をざっとおさらい。


11月30日(金) 夕方。

神楽坂キイトス茶房というカフェで行われた 「ドラ・トーザンのフランス塾」に参加。このイベントは、神楽坂のアートイベントを、インターネットで調べていたところ、たまたま発見。神楽坂はフランスとかかわりが強いと聞いていたが、本当だなとか思いながら参加を申し込む。講師のドラ・トーザンさんは、国連本部で勤務していた経験を持つ才媛で、現在は、ジャーナリスト・エッセイストとして、活躍。日仏学院でも教鞭をふるっておられるので、日仏学院の生徒も参加されていたようだ。あと、大変容姿端麗な方なので、追っかけの方も何人かいたかもしれない(笑)テーマは、「ツール・ド・フランス」の魅力解説と、そのコースになっているフランス各地の魅力について。「ツール・ド・フランス」でフランスを知るというのも、面白いなあとか、「ツール・ド・フランス」には、フランス人の気質が現れているのではないかとか思いながら講演を聞く。だがもともと、僕は、自転車に興味があるわけではないので、細かいところまであまり覚えていません(笑)質問タイムに、僕が「自転車で肩こりなおりますか」という半分受け狙いの質問をした(しかも予想外に笑いがとれた)からか、一人の参加者の方から、自転車について熱心に語ってくださったが、半分くらい上の空で聞いていたくらい。(申し訳ない)。終了後、たまたま日本に帰国されている、オペラ歌手の日本人の女性と少しお話する。日本ではなかなかオペラを歌う場所がないと嘆いていた。次回の「フランス塾」での再開を約束してキイトス茶房を後にする。

http://www.kagulart.com/l_event_top.php?eid=00003



明けて、最後の月となる師走。12月1日(土)。

週の疲れを引きづりながら、力技で午前中の翻訳の授業をなんとかこなす。授業の前から、今日は、絶対美術館いくぞ~と心に誓い、ヒルズの森美術館にいくか、それとも外苑前のワタリウムにはじめて足を向けようかと迷っていたが、授業を受けながら、ワタリウムに心が向かいはじめる。場所確認もかねて、いざ出陣。


ワタリウム美術館「南方熊楠『クマグスの森』展」

http://www.watarium.co.jp/exhibition/0709kumagusu/index.html


南方熊楠が行った生物学や民俗学についての業績や熱意を少しでも知ることができただけでも収穫です。観覧者は、熊楠の写生ノートや展示物に触れることで、学ぶ、知ることへの情熱に圧倒されること、間違いなしです。熊楠が生物学や民俗学についてなぜそこまで執着したのか。生物が生き、死ぬことの不思議。あらゆる事物の融合である宇宙の不思議。もう少し掘り下げたいです。チケットは、パスポート制で、展示期間中は何度でも入場することができる。この制度は大賛成。今回限定ではないことを祈る!美術館まで原宿まで歩く。


12月2日(日)夕方。

14時から、テレビで、ラグビーの早明戦をみていたが、明治のふがいなさにためいきをつきながら、試合終了を待たず、家を出る。FWは、自分たちの実力に過信していたと思う。確かに今年の明治のFWはここ数年のレベルからすると高いが、黄金時代のように、他を圧倒する選手がいるわけではない。しかも、今の早稲田は、FWも強く、昔のような試合展開に持ち込むのは難しいのではないか。BKは、テレビで解説の方が再三指摘していたが、DFラインの形成が遅い。早稲田の攻撃のテンポが早かったし、明治のBK陣もまだ若いメンバーで仕方がない分もあるが。しかし、まだ修正は利くはずだ。がんばれ明治!大学選手権決勝での再戦を期待する!気を取り直して、吉祥寺に向かう。


東京ノーヴィ・レパートリーシアター「どん底」 in 吉祥寺シアター

http://www.tokyo-novyi.com/


最近仲良くしていただいている知り合いの俳優さんが出演する演劇公演を見る。東京ノーヴィ・レパートリーシアターはロシア戯曲の題材を中心に活動されている(監督もロシア人)熱い演劇集団。今年が4年目の活動で、来年の6月まで下北沢にある劇場を中心に、週2回上演している。どん底はロシアの戯曲家ゴーゴリの作品。僕がはじめて見たノーヴィの公演は確か、1年半くらい前の、やはり「どん底」だった。人生についていろいろ考える中で、僕がアートに傾倒し始めた時期である。その時の自分の境遇を反映するとでも思ったのか、題名に強く惹かれた。(まだその後に底があったが笑)涙が何度も頬を伝った。あれほど涙したのは、「バックドラフト」以外記憶にない。あの涙の理由はいったいなんだったのか、いまだに説明できない。言葉では説明できない魂の叫び、悲鳴。なくしていたものへの追憶。今回が3度目で、うちどん底が2回ということになった。吉祥寺シアターのような本格的な劇場で見るのは初めてとなる。今回は、前回のどん底より時間が約1時間ほど短くなっていた。あとで、知り合いの方にお聞きしたが、演出も以前とずいぶん変わったようだ。公演時間は短くなったが、作品に含まれる生きるうえでのエッセンス(生きるとは?人間とは?嘘とは?善悪とは?など)は、その多くが残されていて、楽しませていただいた。個人的には、今までに比べて、冷静に見れた。ぼろぼろとは泣かなかった。演劇を見ている時の自分の感情の起伏を感じるというのが、今回の公演を見るにあたって、なんとなく頭にあったテーマだったが、音楽風にいうと、鳴るところはしっかりなって、落ち着くところは落ち着いて、おだやかな起伏だった。一方、まだ感じ取れていない真実があると思う。それをいかに解消していくか?たぶん、その演劇に触れた人達と交流することだと思う。自分の芸術性(創作鑑賞の両方を含む)を高めることは自分だけの行いだけでは限界がある。自分を高めることを続けながらも、他人と交流しながら高めあうことが必要となる。そのような、本格的な芸術活動の場をどのように求めるか、作るのか?これが演劇を含めた芸術と自分がかかわる上での今後の課題になるだろう。