未読書に目を通す時間にかまけて、一度読んだ本を読み返す機会がほとんどないのが、今の悩みです。偉大な作家の言葉を借りるまでもなく、再読かつ熟読することが、理解を深めていく方法だということはわかっているので、あとは、時間を死守するのみ。芹沢光治良の長編小説は、マメに読み進めるとして、未読書の購入・読解は、しばらく控えめにしないといけないようです。それにしても、読書計画の甘さを痛感。僕が再読したいと思っている本は、大きく2通りです、ひとつは、難解すぎて、途中であきらめたり、理解できなかった点を残したまま、読了としてしまった本。もうひとつは、作品の主題や表現の巧緻性に感銘を受けた本です。


今日は、前者をいくつかご紹介。


○宗教の理論(ジョルジュ・バタイユ著・湯浅博雄訳・ちくま学芸文庫)

 なぜか今年の春先に、「宗教って何なんだろうな」という疑問が深まり、アマゾンで購入。僕は、正直それまで宗教とか信仰とかいうものに抵抗があったんですけど、最近は、宗教を信仰している人と普通に出会うせいか?割と自然になっています。さて、この本は、さすがバタイユと思わせる、非常に難解なものでした。ひとつの文章でさえ、何度も読み直さないと、理解できないことがありました。2回、目も通したはずですが、今、本を開いて、自分が傍線を引いたところを読んでも正直チンプンカンプンです。哲学系の本全般に言えるのかもしれませんが、節ごとにメモをとりながら、噛み砕いて読んでいきたいと思う本です。


○純粋理性批判(カント著・篠田英雄訳・岩波文庫)

デカルトの「方法序説」を読んだあとに、勢いで手を出した、生涯2冊目の哲学書です。かなり一生懸命読んでいた記憶がありますが、いかんせん能力不足で、残念ながら、上巻の半分過ぎでギブアップしてますね。文章自体は割と素直な日本語に訳されてる気もしますが。哲学独特の用語が頻出するので、用語辞典か辞書がないと理解に苦しみそうです。ちなみにこの本は中巻、下巻があり、さらに続編として「実践理性批判」「判断力批判」という書があります。よって、読み進めると、どっぷりはまり過ぎて、日常生活に支障をきたしそうで、手が出しづらいのですが、時間があれば、ぜひぜひ読了したい本です。


○社会学の根本概念(マックス・ウェーバー著、清水幾太郎著)

たしか、大学で経済学を学んでいた友人に勧められて読んだ本ですが、今となっては全く記憶になし・・・この書も、かなり難解で、通勤列車で読める本ではなく、ノートをとりながら、腰を落ち着けて読みたい本です。


○芸術哲学入門(ジャン・ラコスト著・阿部茂樹著・白水社)

美の真理について、時系列に、美学、芸術家、想像力、表現といったテーマを絞って論じられています。内容は、そこまで深いものではないようなので、題名どおり、入門として自分の興味を探る目的で読む書だと思います。美学に関する章を中心に、その他興味のある項目をかいつまみながら、じっくりと読み返したい本です。


明日は小説・エッセイの中からご紹介。