昨日の夜は、合唱サークルの練習。信長貴富さん編曲の『ノスタルジア』から「花」「朧月夜」「故郷」を歌う。いずれも日本を代表する名歌だが、『ノスタルジア』では、これらの歌がアカペラ合唱演奏のために編曲されている。この3曲は来月の演奏会で歌う。余った時間で『フランス合唱名曲集』からCamille SAINT-SAENS作曲の歌を2つ、『イタリア世俗曲集』からMonteverdi(モンテベルディ)作曲の歌を1つ音取りする。サンサーンスの歌は、ハーモニーがただただ美しく、聴く人をうっとりさせるような歌。自分が感情移入しすぎないようにと、頭の中で念押しする。モンテベルディの歌は、音とりをしていて、無理がなく、素直な旋律という印象を受けていた。後で『イタリア世俗曲集』のプロローグをよくよく見てみると、ルネッサンス期の作品集と紹介されていた。ヨーロッパ音楽の基本原理が構築された時代の作品。ヨーロッパ音楽の原点がわかるということだけでなく、文字通り「体感できる」ことの喜びを感じている。同時に、この作品集を通じて、音楽の基本を身に付ける訓練をして、いいモノを作りたいという意欲が湧き出てくる。音符、音程、速度、調、強弱。合唱の場合、さらに和音。「楽譜通りに歌う」という単純だが、あまりにも難しいテーマへの挑戦意欲が、僕の合唱という創作活動へのモチベーションを支え続ける。音楽原理にのっとって歌われた作品の前では、「美」という言葉を表すまでもなく、ただひれ伏すしかない。そんな観念を、僕は求めているのかもしれない。もちろん、この意欲は、サークルの仲間の存在が大きいと最近今まで以上に気づかされていることを最後に付け加えたい。歌うことが好きで集まる場。ただそれだけなのに、自分が自分であることを確認できる大切な空間。そんな自分を受け入れてくれる素晴らしき仲間。
ああよかねww