「先ず与えよ、されば道は開かれん」という格言の意味をかみ締めています。人や世界に何かを還元するために、何かを与えつづけようと思うのと同時に、毎日自分は何かを与えられていることを自覚し、そのことに感謝をしなくてはいけない。前記の格言は、宗教の教義のようで、抵抗のある方もおそらくいるかもしれません。ただ、この言葉から概念を認知することと、概念を体験知することの差異を考えさせられています。いうまでもなく、その差異とは、経験の有無なのですが、その差異は底なしであります。経験は、概念を意識に立ち上らせます。そして、経験を積み重ねていくことで、その意識はやがて無意識となっていく。しかし、この無意識こそが、人間を硬直化させる怪物であります。人間は、無意識という怪物と何としても向き合う挑戦をし続けなくてはなりません。