ポレポレ東中野というミニシアターに昨日偶然にも遭遇した。ミニシアターとは、若手映画監督の作品を中心に、大きな映画館では扱われないような映画を多く取り扱う映画館である。ポレポレは、東中野駅から歩いてほど近くの線路沿いのビルの中にあるのだが、ビルの奥まった所に入口があるため、外から見ても入口がどこにあるかわからず、目立たない。それでも、中野区唯一の映画館であるためか、地元ではわりと知名度が高いようだ。唯一の映画館がポレポレというのも、なんだかこの区らしい。
それにしても、僕は本当についていると思う。少しでも映画評論の構想が頭にあったからだろうか。
映画を見る時間の余裕のなかった僕は、それでも訪れた理由をあとから自分で確認したいのか、館内で販売していた「映画芸術」という評論雑誌を購入することにした。現代映画の思潮と、(評論家の書いた映画評論から)映画評論例を学ぶ上では役立つと思う。内容は、それほど難しくないし、一般の映画ファンでも十分に楽しめると思う。それにしても、この雑誌を読んでみても、改めて思うのだが、評論界とは、科学のように緻密な世界だと思う。例えるなら、虫眼鏡で虫をなめるように調べまわすような感覚に近い。先日読んだ柄谷氏の「近代日本の評論」を読んでみた時も、同じ感覚を得た。
そんなことを想像しているうちに、割とおおざっぱにしか仕事ができない僕には、評論は向いていないかもと、少し弱気になる。しかし、評論することを通じて、文芸について深く知ることができるという期待はいまだ捨てきれない。方法としては、個別作品の感想を書いていきながら、少しづつ全体に近づいていく方法をとっていこうと思う。自分なりのこだわりとしては、できるだけ古い映画作品から取材していきたい。あまりに古いと、映像が残っているかどうかは不安だが、まずは、戦前作成された映画を探してみるつもりだ。
情熱が冷めないうちに早いところとりかかろっと。
【一口メモ】
過去に「パンツの穴」などポルノ映画や暴力を題材とした映画などアウトローな作品を多く手がけたことで知られる若松幸二監督が、以前このブログでもとりあげた「連合赤軍事件」を映画化するために、現在、資金を募っているらしい。「光の雨」とは一味違った、異色の経歴を持つ若松監督ならではの「今」から見た連合赤軍を描いてくれるのでないかと期待している。
資金が順調に集まれば、上映予定は2008年1月。