そういえば、4月の水戸旅行の続きを書いていなかった。
自分で水戸旅行の様子を二部構成で書く計画を立てながら
それを中途で投げ出してしまうことは態度として正しくなかった。
Yよ、許してくれ給え。
今、小林秀雄の「Xへの手紙」を読みかけていて、その影響を
もろに受けている私ww
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
二日目は茨城県近代美術館と偕楽園に立ち寄った。
茨城県近代美術館では、山口勝弘という作家の展覧会を
開催していた。私は、この作家の名前は知らなかった。
しかし、この展覧会の主題である「メディアアート」という言葉は、
前々から耳にしていたため、好奇心を持って、美術館の
入り口をくぐった。
ところが造形活動初期の「実験工房」における彼の作品は、
素人の僕でもこっけいに思えるものだったり、中には的外れでは
ないかと思えるものも見受けられた。
正直「なんだこりゃ」と冷笑をうかべていたかもしれない。
ところが、時系列にしたがって作品を追っていくと、だんだんと
彼が創作活動に求めていることが目の前に開示されていくような
不思議な感覚を得るのだ。
それと同時に、それまで彼の創作活動に理解をしめそうと
していなかった自分自身の態度を恥じ、何かを感じ取ろうと
する態度に変わったのである。
山口勝弘という作家はテクノロジーを使った造形を50年以上(!)も
作り続けている。この展覧会では、彼の長い創作活動の一部を
垣間見ることができたわけである。名作といわれる作品を鑑賞する
のも格別なのだろうが、作家の創作活動のプロセスを追っかけて
いくのもまたなんとも言えない味わいである。同時に新しい鑑賞
スタイルを水戸で発見できた気がしている。
この展覧会以来、山口勝弘はじめ「実験工房」のことがなんとなく
私の頭を離れずにいたところ、メンバーの一人である武満徹の
展覧会が東京で開催されていることを知った。
近いうちに見に行くつもりでいる。蛇足ではあるが。
偕楽園は、自然を満喫。大きな木が立ち並ぶ雑木林は、今は昔、
水戸藩が統治していた江戸時代の風情を感じさせてくれる。
ただ、あと一ヶ月ほど早ければ、偕楽園の象徴でもある梅を見ることが
できた。それと天気が悪かったことが心残りではある。
来年は3月に行こう。って少し気が早いか。
ちなみに水戸でお世話になった大学の後輩には後ほど手紙でお礼を。
今も、ブログやSNSというネット上でのつながりではあるが、
交流を続けている。