4月15日(土)
午前中の用事を済ませた後、上野駅からフレッシュひたち号に
飛び乗った。行き先は茨城県は水戸。目的は水戸芸術館 で
開催されている「人間の未来へ--ダークサイドからの逃走 」と
いう展覧会を見るためだった。ちょっと前から、アートが世の
中に与える影響力についてあれやこれやと考えていたことと、
展覧会の背景にある問題意識が、自分の感じるそれと近
かったことが、足を向けさせたのだと思う。
展覧会では、原水爆実験の写真、戦争による悲劇を伝えよう
とする写真から、深刻な現実が世の中に存在することを実感
した。また谷川俊太郎、トルストイなどの詩、文章がその
悲しみをきわだたせる。オノヨーコの作品は人類の未来に警鐘を
鳴らす。しかし一方で将来への希望を感じさせる作品もあった。
我々は、まず、この深刻な現実を謙虚に直視し、認識することが
必要だ。安易に社会の責任に帰して、見ぬふりをすることは賛成
できない。そして、世の中の風潮に流されることなく、何が正しい
のかという問いを、できるだけ多くの人たちが自分の中で続ける
ことから未来が開けてくると思う。
確かに事態は深刻だが、希望の光は人間の中にかならずある。
なんとしても、この悲劇の連鎖はとめなくてはいけない。
いつもながら熱くなってしまいましたが・・・
展覧会終了前に、入り口付近でうろついていたところ、現地の男性
から声をかけられる。今日、これから泊り場所を探すなんて話を
したところ、なんとそれならうちにどうですかという心強いお言葉。
いい人だ。ついている~。
彼は、高校生、大学生が運営する展覧会ホール内のカフェの様子を
見に来たらしい。そのカフェは「高校生ウィーク」という毎年この時期に
開かれるプロジェクトの一環で運営されており、彼自身もこのプロジ
ェクトに過去参加していたらしい。他にも水戸市内のさまざまなアート
関連のプロジェクトに参加した経験を持つ若き社会活動家。
うーん、我ながらすごい出会いだ。他にもカフェでアート普及のための
教育の仕事をしている方ともお話しする。
このような草の根の活動が少しづつ世の中を変えていくのだろうと
実感する。
その後、韓国料理屋で、食事。
彼は、アート・社会学、教育などに関する幅広い知識を持っていて、
大変面白い話を聞くことができた。
私などまだまだ粗忽者で、どこまでついていけたかわからないが、
自分なりに意見を述べる。
どうやら大学の後輩であることも発覚。
食事後、バーを経営する彼のおじさんにもご挨拶。
話し始めるとお互いおしゃべりなのか、大いに盛り上がり、彼の家に
帰った後もさらに続いたことはいうまでもない。
つづく