人にアドバイスをするのはとても難しく思う。


 元来、私は他人の気持ちを推し量る事がとても苦手で、自分

の立場でしか、モノを考える事ができない人間だった。

最近、人と触れ合う中で、また様々な人間関係にまつわる書籍に

触れ合う中で、他人の立場にたって考える事の大切さを知った。

 

 しかし、他人の立場、本当の気持ちを知ることがそんなに簡単に

できるのかという疑問もある。

 まず、私自身は、完全にはその人自身にはなりえない全く別の

個の存在である。誰しもそうかもしれないが、自分の経験、価値

観で行動して、生きているのが普通だと思う。人にアドバイスを

する時にだけ、ふっとスイッチを変えて、その人の立場にたって

考えるような、器用なことが、私にできるのか?

 また、どんなにその人の本当の気持ちを、言葉に表して頂く

ために必要な質問を考えて用意したとしても、本当にその人が

本当の気持ちを話してくれることを担保するものはどこにもない。

 

 また、自分の伝えた内容が、相手には、全く意図しない方向に

とられていることもある。これが大変恐ろしい事で、コミュニケー

ションの難しさなのかもしれない。


そういったことを考えている内に、人にアドバイスをすることが

少し怖くなっている自分に気づいた。


 しかし、私の今後の人間関係の中で、アドバイスをする機会は

これから多く訪れると思うし、相手の悩み、不満に対して、

微力ながら役に立てる人間でありたいと願う。


 正直100%、その人の琴線にふれるようなアドバイスができる

ことはもしかしたら、今後の人生で一度あるかないかかも知れ

ないと思う。しかし、1%でもその割合を増やしていく事が今後

私が目指していくことだと思う。


そのためには、相手との信頼の度合いを増やしていくことが

まず一番大事だと思う。また、その過程の中で、相手が物事に

関してどのように考える傾向があり、自分のそれとはどう違う

のかということを把握しながら、相手の価値観を類推し、

その類推された価値観を踏まえたアドバイスをすることかも

しれないと、今は思う。