最近、「戦略」に関する本を読み始めている。切り口は様々で、孫子、

クラウゼヴィッツ等の大戦略家に関する本。日本の近代歴史に関する

本、はたまたゲーム理論といった数学的切り口やマーケティング戦略・

事業立案といった経営戦略に関する本。どれも大変興味深い。


 思えば、私も今までの人生を振り返ると、「戦略なき人生」だった。

「なんとかなる」というひとりよがりな考え方で、突進することで、何度

後悔し,また、周りに迷惑をかけてきたことか。太平洋戦争の日本軍部

の戦略なき勢力拡大の例を見てもわかるが、勝つための方策、もし

くは、それ以前に本当に勝てるかどうかを考えないと、本当に悲惨な

目にあうかがよくわかった。


 ただ、勝つということは「相手を打ちのめす」ことではない。私も勝ちに

こだわり過ぎることで、人間関係をおかしくしたり、疲弊したことがあった.

孫子も言っているが、正面をきって戦うことは最大の下策である。むしろ

「戦わずして勝つ」ことが上策なのだと言っている。(現実的には難しいが

)戦うとしても、いかに相手の目を眩ませて、相手よりも優位に立つか。


 そのためには、相手のことをどこまで読めるができるかが大事である。

この視点が、今までは、本当に全くといっていいほどなかった。自分が

やりたいから、とにかくやるんだといった、相手を無視した、幼稚かつ

浅はかな行動も、今まで見受けられた。相手の考え方、力量、行動特性

等によって、出方が全く異なるのだ。自分の行動は、まず相手ありきなの

である。


また、意外と盲点なのが、自分自身を知ることである。マーケティング

の3Cという有名な言葉もあるが、競合ばかり見て、自分の強み、弱み

を把握することをおろそかにすることがある。先ほどの日本軍の例で

はないが、日本の国力を考えれば、どう考えても勝てる戦争ではなか

った。まさに自国が見えていなかったのだ。


戦略的に考えるより、行動した方がいいという意見もある。私も少なか

らず、その考え方を支持したい向きもある。(それによって得た良い体験

があるので)「考える前に行動しろ」という人もいる。ただ、戦略的に考える

ことは、行動によって得られる効果を最大化するためには、やはり必要

なことだし、それはどのような行動にうつすかという決断の重要性が

増せば増すほど必要不可欠なものになるはずだ。なぜなら、太平洋

戦争の日本が受けた被害を考えればわかるように、大きなリスクを

伴うからだ。


これからの日本でも、自分の人生を、自分で考えて切り開いていく

「自己解決能力」が求められると、私は思っている。

そのためには、現状を分析し、いかに変革していくかという戦略的な

視点を、各個人が身につけていくことが不可欠になると思う。

お国柄を考えれば、アメリカあたりでは、この手の本を日本の中学生ぐらい

の年で読んでいるかもしれない。それを考えるといささか遅いスタートですが、

戦略家への第一歩として、今後もずっと考えていきたい。


リーダーを目指す人だけでなく、何となく先が見えない人たちに対しても

すすめたい。
終戦記念日前ということで、日本の不幸な戦争を例として振り返りながら

痛ましい過去をなげきつつ。