インフルエンザ治癒証明書について
インフルエンザが猛威を振るっています。
千葉県は、1月16日、インフルエンザ警報を発令しました。
このインフルエンザ警報とは、千葉県が指定した小児科・内科を定点として、 その定点の医師がインフルエンザ患者と診断した場合に保健所に報告する、その件数の1週間の平均値によって発令されます。
国の定める警報基準値は30、千葉県では2019年第2週(1月7日~13日)の患者報告数が 41.33となりました。その前週の1月9日時点では11.22であったことから、1週間で3倍以上の急増です。
学級閉鎖となる幼稚園、小学校も今後さらに増えていく恐れがあります。
さて、園児、児童、生徒がインフルエンザにり患した場合、園や学校によっては、 出席停止の期間を終えて登園・登校再開の際に、医師が発行した「治癒証明書」や 「登校許可証明書」を提出するよう求めています。
この証明書、本当に必要なものでしょうか?
たしかに、まだ治りきらないのに、たとえば解熱しただけで登校してしまい、感染を拡大させるようなケースを防ぐことはできるかもしれません。
しかし、証明書をもらうためだけに、病み上がりの子どもを連れて、菌やウイルスが蔓延している病院に行くことのリスク。経済的な負担。 そして、形ばかりの証明書を大量に発行しなければならない、医療機関にかかる負担。
どれをとってみても、デメリットが多いように感じられます。
市川市内でも、インフルエンザの場合、医師の指示のもと出席停止期間を守れば、治癒証明書の提出は必要ないという通達を出している小学校もあるようですが、 市としての統一見解はなされていません。
ちなみに、全国20の政令指定市と東京23区の教育委員会に対し、 インフルエンザで出席停止となった児童・生徒が再登校する際の対応について取材した朝日新聞の過去の記事によると、 医師による許可書が原則必要と回答した自治体は16、残る27自治体は、 医師の記入が不要な自己申告制や、学校ごとの判断に委ねている、ということでした。
https://www.asahi.com/articles/ASL3S5TP9L37UTIL00W.html
インフルエンザにり患した児童・生徒の出席停止期間を定める学校保健安全法では、 発症した後5日を経過して、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで 出席停止と規則で定めていますが、出席停止を解除するために医師による証明書が 必要であるという規定はないとのこと。
メリットよりもデメリットの方が多いならば、 市や県としてその取扱いを考えてみる必要があると思います。 田中幸太郎