市川市保育園建設問題にかかわる私の考えについて | 千葉県議会議員 きょうの田中幸太郎

市川市保育園建設問題にかかわる私の考えについて

市川市保育園建設中止に関する一連の案件に関しまして、
連日テレビや新聞などで大きく取り上げられています。
結果的には、報道などでご存知の通り、保育園整備に対する地域住民の理解が得られないと、
この状況下で開園した場合に園運営に不安を生じるため、
28年3月末に開設事業者が断念したということです。

日本全体の子育て施策に水を差すような状況となってしまったこと、
また、市川市の子育て環境が良くないかのように広まり、
信頼を損なう結果となってしまったことに関して、
市川の行政をチェック・サポートする議員の立場として残念に思っています。


市川の閑静な住宅街を舞台に起こったこの問題。
第一報を聞いた際には、住民自治の希薄な地域でのトラブルかな、と感じましたが、
どうもそのようではなさそうです。
道幅の狭い道路に面しており、100人規模の送り迎えが毎朝夕なされるに耐えうる環境
ではないという理由からの反対運動で、
確かに、子供の声がうるさいという意見もあったことは事実ですが、
それは反対理由の最後のほうに記された一部の声だそうです。


それをあたかも、「子供の声がうるさいから保育園の建設に反対した地域がありました」
というようなニュースとして
取り上げられてしまう報道の怖さを取り上げられた地域の立場として実感した次第です。

市川市以外の各地でも同様の事例が起きています。
地域住民の反対を受けて開設を断念した園や、
トラブルを防ぐために車での送迎は禁止、園内の駐輪場の設置、地域の行事への園児と職員の参加など、
条件を出してなんとか開設にこぎつけた園もあるようです。


今回、保育園の設置を希望する社会福祉法人より平成27年3月31日に
計画が申請されて以来の経緯も確認しましたが、

・子供たちの安全を考えつつも待機児童を解消したい行政
・子供たちへの支援は惜しまないが、住宅環境になじまないと考える地域住民
・市川市内の子育て施策に貢献できるよう準備を進めていた事業予定者

何度話し合いの機会を持っても、折衷案を探ってみても、
この三者の思いはジャンケンのようなパワーバランスで平行線をたどり、
その結果として起こってしまった、答えのない、誰が悪いといえる問題でないと感じております。
では、どうすれば良かったか?と考えてみても、
正直なところ、私にはまだ答えが見いだせていません。

しかし、この案件がさらに日本全体において子育て施策の充実を図る機運とした流れとなり
市川市においても、子育て施策を進めるための理解をより深めていくためのきっかけとなることを願っております。

なんとも歯切れが悪くて申し訳ありませんが、現時点での私の意見を述べさせていただきました。
皆さまのお考えがありましたら、ぜひご意見をお聞かせください。


市川市議会議員
田中幸太郎