2015年10月31日(土) 18:00 開演 @ サントリーホール


スメタナ: 連作交響詩『わが祖国』から「モルダウ」

ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 op.18

チャイコフスキー: 交響曲第5番 op.64


(アンコール)

メトネル :回想的に「忘れられた調べ」より(ピアノ・アンコール)
スメタナ :歌劇 「売られた花嫁」序曲
オスカル・ネドバル :悲しみのワルツ


指揮 :イルジー・ビエロフラーヴェク

ピアノ:ダニール・トリフォノフ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

============================================

28日(水)のがっかり演奏会とは全く違ったチェコフィルの

底力を見せられた演奏会になりました。


「モルダウ」はゆったりと流れる「モルダウ」川ではなく

明るい音色で早めの川の流れでした。自分の持っている

曲のイメージとは違いましたが、演奏会に期待を持たせる

出来でした。それにしても難しい冒頭のフルートやクラリネット。

こんなに神経を使う曲で始めるのは大変だなあと他人事ながら

感じました。

ラフマニノフのピアノ協奏曲2番はトリフォノフのピアノが最高。

数年前に聴いたチャイコンに比べて遥かに成長したトリフォノフ

でした。じっくり弾ききったトリフォノフはさすがです。今夜のオケは

気持ちのこもった演奏でメンコンの時とは全く違って聴こえたのは

トリフォノフとの相乗効果が出たのでしょうか。3楽章が終わった

時の観客の興奮が凄かったです。久しぶりにラフマニノフの2番を

堪能しました。やはり名曲中の名曲です!(^^)!

アンコールは初めて聴く曲、アンコールとして気の効いた選曲でした。

演奏終了後、舞台左右や後方にも気を配りながら挨拶をする

トリフォノフのステージマナーは素晴らしかったです

(ビエロフラーヴェクも同じでした)。


チャイコフスキーの交響曲5番は冒頭こそラフマニノフ・ショックから

抜け出せませんでしたが、次第に熱気のある演奏に引き込まれて

いつの間にか演奏に集中して聴きました。4楽章の絶妙な間の

パウゼの後のコーダ!チャイ5って良い曲ですねぇ。


盛り上がった後のアンコールは何と「売られた花嫁」序曲!

セコバイから始まる弦楽器セクションの実力を見せ付けられました。

この難曲を苦も無くこなすチェコフィルってやはり実力のある

オケだったと改めて認識しました。


指揮者のビエロフラーヴェクは特別なことをしない手堅い指揮者

だなあと言うのが2晩聴いた印象でした。個性的とは思えませんが

今夜は曲の魅力を引き出してくれました。