2015年10月21日(水) 19:00 開演 @ サントリーホール


ラスカトフ: 『四季』からのダイジェスト

        (チャイコフスキー『四季』  op37aによる)

グラス  : ヴァイオリン協奏曲第2番 「アメリカの四季」

梅林茂  : 日本の四季<委嘱新作>

ピアソラ : ブエノス・アイレスの四季


(アンコール)

ビアソラ:オブリビオン(忘却)ほか一曲


ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
クレメラータ・バルティカ
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来日のたびに演目に関係なくチケットを買う演奏家が

クレーメルです。今年の東京公演は今夜だけ。


ビアソラ以外は知らない曲ばかり。そんな状況でも

クレーメルワールドを満喫しました。ラカトフの曲は

クレーメル無しの10分程度の短い曲でオケの指慣らし。

プログラムでグラスの「アメリカの四季」は40分かかると

読んだので飽きるかと思いましたが40分が短く感じられる

程 良い曲でした。特に2楽章のメロディ、3楽章、4楽章の

リズミックな動き、聴いていて身体も動きます。

CDも発売されているようです。


休憩の後の日本人作曲家の「日本の四季」と言う委託作品。

冒頭こそオケメンバーの叫びなど入りましたが、あとはとても

懐かしさを感じる作品でした。聴いているとなんとなく「五木の

子守唄」を思い浮かべたり、クレーメルの音色にうっとりしたり

本当に良い曲でした。


唯一知っていた「ブエノスアイレスの四季」。演奏を見るのは

初めてでしたが、本当に演奏が難しい曲に思えました。

アルゼンチンタンゴの作曲家の曲とは思えない本格的で

ありながらタンゴのにおいが感じられたり、ビバルディの四季の

パロディが出たりクレーメルとバルティカの一体化した演奏で

こちらの心が温かくなりました。

アンコールのオブリビオンのロマンティックなメロディ、2曲目は

うって変わったリズミックで「ジャンチャカチャノスッチャッチャ」

と言うおなじみのリズムで終わるお茶目な曲。

観客は少なかったですが、コアな観客に恵まれて本当に気持ちの

良い一夜になりました。