読売日本交響楽団第544回定期演奏会

2015年1月16日(金) 19:00 開演 @ サントリー・ホール


ウェーベルン:パッサカリア op.1
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25
(管弦楽版、シェーンベルク編曲)


指揮 :準・メルクル

ピアノ:金子三勇士
読売日本交響楽団
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今年の本格的なコンサートは昨夜の読響定期公演で

始まりました。

指揮者の準・メルクルはN響定期で数回聴きましたが

あまり印象が残っていない人でしたが、演目とピアニストの

金子三勇士の興味があったのでスクロヴァチェフスキ以来の

読響でした。

結論から言うとメルクルと読響の組み合わせが気に入りました。

メルクルのせいか読響にいつもの粗さが見られなかったからです。


最初のパッサカリアからなかなか聴きやすい演奏でした。

最後のすっきりとした盛り上げ方も良かったです。

シューマンのピアノ協奏曲は金子三勇士に期待しすぎたせいか

何かぴんと来ない演奏でした。特に私には1楽章のテンポが

定まらず良くわからなかったです。快速テンポでオケともども

スポーティなシューマンかと思えば突然テンポが遅くなる、

落ち着いて聴いていられませんでした。幸い2楽章、3楽章は

安定してきましたが演奏者のメッセージが伝わってこない気が

しました。金子三勇士に期待しすぎたのかも知れません。


休憩後はシェーンベルク編曲によるブラームスのピアノ四重奏曲

1番です。原曲もはじめは取っ付きにくい曲だったと覚えていますが

聴き込むうちに良さがにじみ出てくる名曲。シェーンベルクの

編曲版は2004年のラトル・ベルリンフィルのアテネ野外公演の

DVDでのベルリンフィルメンバーの超絶技巧が忘れられない

曲です。ライブで聴くのは昨夜がはじめてでした。演奏の難しい

曲だと思いますが読響は期待以上に素晴らしかったです。

特にホルン、トロンボーン、クラリネット、ファゴットのトップの

皆さん難しい場面をうまく乗り越えていました。打楽器パートの

熱演も良かった。「なかなか読響もやるじゃない」と言うのが

正直な感想です。

それにしてもブラームスの香りがしっかり香ってくる

シェーンベルクの編曲は凄いです。


パッサカリア演奏終了後から大声でブラボーを絶叫する

迷惑な若者が近くにいたり、オケの登場に間に合わない

くらい遅く大きなかばんを持って1列目中央に座る例の

吊ズボンおじさん目障りでしたねぇ。