パッパーノ、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管演奏会

  2014年11月11日(火)19時開演 @ サントリー・ホール


ロッシーニ: オペラ『セビーリャの理髪師』序曲
ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26
 (アンコール)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番から「ルーレ」


R.シュトラウス: アルプス交響曲 op.64

 (アンコール)

 ロッシーニ:オペラ『ウィリアム・テル』から「パ・ド・シス」
 ロッシーニ:オペラ『ウィリアム・テル』序曲から「ギャロップ」

 
指揮アントニオ・パッパーノ

ヴァイオリン:諏訪内晶子
ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団

===========================================================

お客の入りは7日に比べても少なく5割程度で少し寂しい

雰囲気の演奏会でした。

しかし、演奏そのものは7日に比べても魅力たっぷりの演奏会でした。

昨夜のコンマスは若い方でそのせいかオケの響きもより開放的で

厚みのある音に聴こえました。


冒頭の「セビーリャの理髪師」序曲を聴くのは本当に久しぶりでした。

柔らかくはじめられた冒頭部分、さすがにイタリアのオケでした。

畳みかけるようなロッシーニ・クレッシェンド・・・ ロッシーニの

音楽って良いなあとうっとり。この曲はティンパニ等打楽器が

無いことを初めて知りました。まさに天才ロッシーニ (笑)


諏訪内さんのブルッフ。気のせいか諏訪内さんの音が前よりも

太くなった気がしました。相変わらずの魅力的な音色。オケも

真っ向からソロに対抗して協奏曲の醍醐味を満喫しました。

諏訪内さんは絶対にアンコールをしない人だと思っていたので

バッハのアンコールが聴けたのは予想外の喜び。なめらかな

バッハが素敵でした。


後半のアルプス交響曲は明るい音色の爆演でありながら

押しつけがましい所が無くてとても聴きやすかったです。

R.シュトラウスの素晴らしいオーケストレーションを無理なく

描き出す演奏は最高でした。

数ヶ月前にドゥダメル・ウィーンフィルで聴いたツァラも素晴らしい

R.シュトラウスですが全く違ったシュトラウス。指揮者はラテン系の

二人なのに全く違った演奏。とても面白く感じました。


アンコールでロッシーニの二曲。ロッシーニで始まりロッシーニで

終わる、心憎い選曲です。彼らのロッシーニ序曲集が欲しくなりました。


今シーズン短期間の間に、ウィーンフィル、マリインスキー管、

イスラエル・フィル、サンタ・チェチーリアといろいろな国のオケを

聴きましたが、本当にそれぞれが強い個性を持って素晴らしい演奏を

聴かせてくれました。