モーツァルト:歌劇「ドン・ショバンニ」





  © Salzburger Festspiele / Michael Pöhn


8月15日(金) 20時開演 @ モーツァルト劇場  


指揮: クリストフ・エッシェンバッハ
管弦楽: ウィーン・フィルハルモニー

ドン・ジョヴァンニ: イルデブランコ・ダルカンジェロ
騎士長: トマス・コニエチュニ
ドンナ・アンナ: ゲニア・キューマイヤー
ドン・オッターヴィオ: アンドリュー・ステイプルズ
ドンナ・エルヴィラ: アネット・フリッチョ
レポレロ: ルカ・ピサローニ

ツェルリーナ:ヴァレンティナ・ナフォルニータ
マゼット: アレッシオ・アルドゥイーニ
合唱: ウィーン・フィルハーモニア合唱団 ほか

http://www.salzburgerfestspiele.at/language/en-us/das-programm/oper/oper-detail/programid/4905

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去年は祝祭大劇場の公演ばかりだったので、今夜が
初体験のモーツァルト劇場。
小さな劇場と聴いていたのでどこでも同じだろうと
安いチケットを買いましたが大失敗。劇場は予想以上に
大きかったです。今回の席は最上階(4階)の右側の席で
上から覗き込む形。椅子も覗き込むことを前提に足が長く
小さくてすわり心地が最悪。立って見ているほうが楽そう。
こんな場所で日本時間の朝の3時から6時と言う最悪の
タイミングにモーツァルトを聴くのですから条件は
最悪でした。まあ、42ユーロと言う昼間のムーティの
1/3の席で良い席と考えた自分が甘かったです(笑)


拍手も無いまま劇場が一瞬暗くなり序曲が始まりました。
少人数でもウィーンフィルの音は素晴らしい。どの歌手も
声量豊かで4階席でも十分に満足できる響き。
自分の席は残響がかなり長く、歌とエッシェンバッハが
バンバン鳴らすオケとが絡み合ってしまい もう少し整理
された音で聴きたかったです。非常に淡々として演奏が
進みました。悪く言えば一本調子? 場面、場面で変わる
雰囲気の中での歌を楽しむと言うベームやカラヤンで
聴きなれていた私には前へ前へとドラマが突き進む感じでした。
恋人たちの密会に使われているホテルが舞台という読み替え
演出もあり音楽付の劇を見ているように思えました。

コメディータッチでちょっとエロチックな演出は
見ていてわかりやすいですが、それだけで終わってしまい
モーツァルトがどこかに行ってしまい本末転倒では
ないかなと思えてしまいます。


どの歌手も容姿が良くて舞台を見ていても違和感無く
ドラマを楽しむことが出来ました。ドンナ・アンナ、
ドンナ・エルヴィラ、ツェルリーナの女性3人は下着姿に
なったり、男性陣との絡みがあったりもっと近くの
席で楽しむ(?)べきでした(笑) 男性もマゼットが
パンツひとつになったり歌手たちも大変な時代になりました。


残念ながら今夜は自分にはオペラを感動する事は
出来ませんでしたが、観客の盛大なブラボーや拍手も
出ていたのできちんとした席ならば満足できたのだろうと
思うことにしました。
歌手の皆さんたちには暖かな声援が送られていましたが
最後に登場したエッシェンバッハには大きな「ブー」を
叫ぶ人が何人かいました。


オケピットは暗くて4階席から演奏者は判別が難しいのですが
コンマスはシュトイデだったようです。開演前に
シェヘラザードの最初のソロの部分をピットで一人練習して
いました。日本公演の練習???
クラはオッテンザマー父とシュミードル?正しければ
タフなご老体お二人です。ティンパニは頭の形から
ミッターマイヤーかも。ペットのお二人は識別できず。
ペットのお二人とティンパニは出番がなくなるとそそくさと
舞台裏に引き上げて出番に戻ってくるという作業を
繰り返していました。全曲が終わると舞台上では拍手が
続く中、オケのメンバーは自分の席でさっさと楽器を
しまっていたり、普段知ることがない舞台裏を垣間見た
気がしました。彼らにとっては国立歌劇場と同じような
ルーティンの一環なのかなと思ってしまうとちょっとがっかり。


観客の服装が正装した男女からまったくの普段着まで
とても幅広いです。日本人もちらほら。皆さん、良い席で

お聴きのご様子。うらやましい (-_-メ