ワーグナー:楽劇『ニーベルングの指環』序夜《ラインの黄金》
4月7日[月] 19:00開演 @ 東京文化会館 大ホール
上演時間:2時間30分
ヴォータン:エギルス・シリンス
ドンナー:ボアズ・ダニエル
フロー:マリウス・ヴラド・ブドイウ
ローゲ:アーノルド・ベズイエン
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ミーメ:ヴォルフガング・アブリンガー=シュペルハッケ
ファーゾルト:フランク・ヴァン・ホーヴ
ファーフナー:シム・インスン
フリッカ:クラウディア・マーンケ
フライア:藤谷佳奈枝
エルダ:エリーザベト・クールマン
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:秋本悠希
フロースヒルデ:金子美香
管弦楽:NHK交響楽団
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
指揮:マレク・ヤノフスキ
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4年がかりの「ニーベルングの指環」の初回。
3年後など自分がどうなっているか全くわかりませんが
あまり深刻に考えずに序夜から楽しむことにしました。
やっぱり、ライブで聴くワーグナーは最高と言う事と
まだまだ勉強不足を通関させられた演奏会でした。
自分の知らない歌手ばかりでしたが、どの歌手も素晴らしい
歌を聞かせてくれました。とくにアルベリヒ、ローゲ、ヴォータンの
男性3人の迫真のやり取りが素晴らしい。出番は少ないが
ミーメも良かった。フライヤ、3人の乙女などを日本人歌手が
歌っていましたが、全く遜色なく聞こえる。こんなハイレベルの
歌がCDなどでなじみの無い歌手たちで聴くことができる
なんて世の中の広さを改めて実感。
30年前にDENONのPCM録音の「指環」を指揮していた
ヤノフスキの「黄金」が目の前で生を聴けるなんて
夢のようでした。早いグングン突進する演奏は相変わらず。
せめて、ファーゾルトとファフナー登場のティンパニぐらいは
重々しくやってくれよと突っ込みを入れたくなるくらい
筋肉質の「黄金」でした。
金床を叩く打楽器奏者が18人(2人は兼任)がステージの
最後部に陣取っていたのも壮観。ほんのわずかな出番なのに
ずーっと座りっぱなし。それにしては短い出番で遠慮がちな
叩き方に聞こえたのもご愛敬 (笑)
演奏終了後、周りでブラボーを叫ぶ人たちを見ると
ブラボーを叫べるほどこの曲に精通していない自分を
まだまだ、勉強不足と感じたことも事実でした (*_*)
昨夜もコンマスはウィーンフィルのキュッヘル御大。
どうしてもこちらの目がいってしまいます (*^^)v
たぶん、彼は暗譜でも弾けるのはないでしょうか。
演奏終了後の退場時に第一バイオリンのメンバーが
一人ひとり御大と握手を交わしながら何かしゃべって
いたのが印象的。
DENONのPCM録音が謳い文句だった1980年代の
ヤノフスキの「指環」はテオ・アダムのヴォータン、ルネ・コロの
ジークフリートなど強力な歌手陣と80年代のDSKの魅力で
ずいぶん聴いた思い出があります(肝心のブリュンヒルデの
アルトマイヤーが口にこもったドイツ語で興ざめでしたが)。
あの「黄金」ではペーター・シュライヤーがローゲを歌っていた
事の意味が今回の演奏会を通じて改めてわかりました。
それにしても2時間半の長丁場で東京文化会館の
狭い座席はつらかった。途中からお尻が痛くて・・・・