2014年1月27日(月)19時開演
@ 東京オペラ・シティ (C席、3階L2-19)
R.シュトラウス(ハーゼンエール編):もう一人のティル・オイレンシュピーゲル
モーツァルト: ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407
シューベルト: 八重奏曲 ヘ長調 D.803
ベルリン・フィル八重奏団
樫本大進(第1ヴァイオリン)
ロマーノ・トマシー二(第2ヴァイオリン)
アミハイ・グロス(ヴィオラ)
クリストフ・イゲルブリンク(チェロ)
エスコ・ライネ(コントラバス)
ヴェンツェル・フックス(クラリネット)
シュテファン・ドール(ホルン)
モル・ビロン(ファゴット)
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昨夜はベルリン・フィル八重奏団の演奏会でした。
シューベルトの八重奏曲の圧倒的な名演奏に
すっかり興奮し、楽しんだ一夜になりました。
最初の「ティル」はヴァイオリン、クラ、ホルン、ファゴット、コンバスと
言う変則的5人の奏者で演奏される編曲物で始めて聴きました。
原曲のエッセンスを上手くまとめた短い曲で演奏開始のウォーム
アップに適していました。ティルが断頭台へ上る場面の小太鼓など
打楽器はコンバスやチェロに担当させるなどアイデアが各所にみられ
なかなか面白く聴けました。
モーツァルトのホルン五重奏曲はトマシーニが第二ヴィオラを担当。
ドールの柔らかな音色とそれに寄りそう弦楽器の合奏。
本当に久しぶりに聴く魅力的なホルン五重奏曲でした。
休憩後のシューベルトが期待した以上に素晴らしい演奏で
約一時間がアッと言う間に過ぎ去ってしまいました。
特に感激したのはフックスのクラリネットの魅力的な音色と
メロディーの歌わせ方の素晴らしさ。2楽章冒頭の旋律の美しさは
息が詰まるほどでした。クラと樫本のヴァイオリンの対話。
まさに夢の世界。となりのビロン(Fg)やドール(Hr)がすっかり
聴き惚れているよう。演奏を通じてフックスが樫本にこの曲の
魅力を伝授しているように感じられ、こうやってベルリン・フィルの
文化や伝統がベテランから若手のリーダーに伝えられていくのかと
胸が熱くなる思いでした。
フックスと樫本の事ばかり書きましたが、他のメンバーからも
この曲への愛情がにじみ出て渾然一体となった燃焼度の高い
演奏。それぞれがとても個性的でありながらアンサンブルとしての
一体感。これがベルリン・フィルの凄さの基本なのでしょう。
6楽章を聴いているとまさに大編成のベルリン・フィル
そのものを聴いているような錯覚にさえ陥りました。
そのくらい圧倒的でした!(^^)!
ところでシューベルトで1楽章提示部の途中で樫本大進の
弦が切れると言うアクシデントが発生。樫本が舞台そでに
退いた後、舞台に残った他のメンバーもニヤニヤ!(^^)!
観客だけでなくメンバーの拍手に迎えられて(?)樫本が再登場し、
最初からやり直し。 アクシデントのおかげかやり直し後の
方が演奏もリラックスしたように聴こえて何か得をした気分(^^♪
昨年のベルリン・フィルの演奏会では周りの観客に恵まれず
溜まりに溜まったベルリン・フィルへのストレスを解消してしまう
素晴らしい演奏会となり改めてベルリン・フィルって良いなあと
思えてしまいました。
今回のC席はステージの真上の3階2列目。身を乗り出して
を覗き込んでもヴァイオリン等は殆ど見えないのですが
ホルン、ファゴット、クラの真正面。3人の名手の細かな仕草を
見る事が出来たのも良い思い出になりました。
これだけ満足してチケット代金は\3,600!!昨年のベルリンフィルの
十分の一の値段(*_*; こちらの方が満足度が高かったです。