ブルックナー:交響曲第7番ホ長調WAB.107
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
1992年3月31日&4月1日
ベルリン、シャウシュピールハウス( ライヴ)
監督:ロドニー・グリーンベルク
制作:メトロポリタン・ミュニック
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待ち望んでいたBRが予定より早く今週届いていました。
早速、聴きました。
画像は期待したほどブルーレイの効果があるようにも
思えませんでしたがそれなりに綺麗な画像です。
オリジナルの4:3画像を16:9のワイドに編集し直した
画面がありがたい。カラヤンの映画の悪影響か楽器を
クローズアップしたり、意味もなくホールの天井や
シャンデリアを映したりするところは時折煩わしく
思えたのが残念。
38年ぶりにベルリンフィルへの復帰コンサートでしたが
この時点で既に椅子に座って指揮をしていました。
79歳と言うお歳を考えると立って指揮をしていると思いこんで
いた自分が間違っていました(-_-)
コンマスのスタブラワが若い。サブのソンネ(Sonne)も
ひげを生やして。ティンパニはSeegers今でも現役です。
フルートは名手ツェラー。Violaには土屋さんの顔も。
知らない人が殆どですがそれでも懐かしい。
とてもゆったりした7番です。全曲で86分を越える演奏。
2楽章のアダージョは31分以上かかっています。
最初はお互いに手探りで距離感を計りながら演奏が
始まったように聞こえましたが2楽章以降になると
俄然、オケと指揮者が一体化して集中感がますのが
判ります。4楽章の終わりに向かった盛り上がりは
滅多にない演奏会だったと思います。
1楽章で指揮棒で左手を叩いてリズムを取る動作が
数回見られました。天下のベルリンフィルに拍子を取る
なんて信じられなかったです(笑)
このBRディスクには「凱旋」と言う題名のドキュメンタリーが
入っています。ありがたいことに日本語字幕付き。
この中にベルリンフィルとの練習風景が入っていてとても
面白かったです。ブルックナーを演奏できるオケは少ない、
自分とミュンヘンフィルなら出来る事をベルリンフィルと
何処まで出来るかなんて刺激的な挨拶で始まりました。
出だしのバイオリンの刻みを合わせるなとか、チェロの
歌い方とかViolaへの引き渡しなどともかく細かい。
天下のベルリンフィル相手のリハーサルとは
思えません。チェリ御大も大声で指示を出したり、
細かく指示を出していました。暗譜です!
開始の小節数をオケに確認しますが、流れは全く
滞ると言うことが無い。
全曲リハーサルをする時間があったのだろうかと
余計なことを考えてしまうくらい細かい。120人全員が
指揮者だ、お互いに聴きあって調和を、、と言うように
とても中味が濃かったです。ホルンに「揚げ弓で弾け」と
ユーモアのある表現をして一瞬奏者を唖然とさせたりとても
魅力的。最初はふてくされていたように見えた1St. Vn後ろの
プルトの奏者が楽しげに笑顔を見せるようになったり内容が濃い
55分弱のドキュメントでした。これは必見です。
演奏会の録音プロデューサーにコード・ガーベンの名前が
クレジットされていました。こんなところにも関係していたのですね