ワーグナー: ローエングリン


 新国立歌劇場 17時開演 (B席、2階L9-3)


こたの音楽三昧

【ハインリヒ国王】ギュンター・グロイスベック
【ローエングリン】クラウス・フロリアン・フォークト
【エルザ・フォン・ブラバント】リカルダ・メルベート
【フリードリヒ・フォン・テルラムント】ゲルト・グロホフスキー
【オルトルート】スサネ・レースマーク
【王の伝令】萩原 潤
【4人のブラバントの貴族】

大槻孝志/羽山晃生/小林由樹/長谷川 顯


【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【指 揮】ペーター・シュナイダー

【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術・衣裳】ロザリエ
【照 明】グイド・ペツォルト

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今日は17時開演なので早めに会社を出て会場に向かいました。

オケのコンサートの比べてオペラは会場の観客も何となく

華やかな感じがします。


指揮者のペーター・シュナイダーは今年のバイロイトで
トリスタンを指揮する予定。演出の週テークマンは来年
バイロイトでティーレマンの「リエンツィ」の演出予定。

歌手も実力者ぞろいと言う事でとても楽しみにしていました。


特にローエングリン役は昨年のバイエルン国立オペラで

ヨハン・ポータ、今夜はフォークト。こんなに短期間に二人の

代表的なローエングリンが聴けるのは幸せな事です。

あと一人カウフマンが聴ければ現時点で代表的なローエングリンを

全員聴ける事になるのですが、しばらく先になりそう(*_*)



今夜は初日でしたが満席に近い客入り。ワーグナーは人気ありますね。

初日のせいか出だしは演奏に勢いが感じられず1幕は演奏に

入り込めないうちに終わってしまいました。合唱が薄かったし、フォークト

以外の歌手の声が今ひとつ通らない。演出もへん、、、、、、


2幕の途中からフォークト以外の独唱者も声が通るようになって来ました。

3幕はフォークトの独壇場。メルベートのエルザもフォークトに引っ張られて

次第に良くなってきました。3幕の最後で自分の正体をあかす場面では

胸にこみ上げてくるものがありました。フォークトは見栄えも良いし

明るめ(軽め?)の声質はローエングリンにピッタリだと思います。

声が太くて重めのカウフマンより合っているのではと思えます。

他の歌手も実力者を揃えていましたが、平均的な出来ではないでしょうか。

テルラムント役のグロホフスキーが声が小さめでバランスが悪かったです。


ペーター・シュナイダーの指揮は手堅く纏めている感じでしたが逆に

安心して聴けました。3幕は圧巻。


今日は初日でこれから観る方もおられると思うので演出については

書きませんが、一言 言わせていただくと創造性が感じられなかった

です。TVで観たバイロイトのネズミや昨年のバイエルンの演出が

それぞれ説得力がありましたが、今夜の演出は何を言いたいのか

判りませんでした。衣装も同じです。バイロイトでのエルザが登場する

場面や結婚式での華やかさを今回も期待したので残念。


つくづく感じたのは昨年のバイエルン国立歌劇場の公演はとても

レベルの高いモノだったのだと言うことでした。演出、歌手、合唱、

オケ、指揮者が高いレベルでの協調と調和。今になって理解しました。


今回は夕方5時に開演、2回40分の幕間休憩があったので

終わったのは夜の10時前。長かったです。1幕の途中で地震が

ありました。丁度、ローエングリンが登場してエルザとのやり取りを

しているところ。劇場がガタガタっと揺れましたが演奏者は何事も

無いかのように演奏を継続。凄い! 気のせいかこのあと合唱に

気合いが入ってきたように思えました。


1幕と2幕の間の40分休憩を利用して近くの喫茶店で夕食。

サービスが遅くて酷い目に遭いました。危なく2幕に遅刻するところ

でした。


やっぱりワーグナーの魔力はすごかったです。