読響 第518回名曲シリーズ
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調作品58
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB.109
アンドレ ワッツ (P),
S.スクロヴァチェフスキー・読響
19時開演 サントリーホール 1F 1列19番 (\2,833)
しばらく前にMr.Sの演奏会に行きたいと思い立ったが、既に
完売状態。偶然YAHOOオークションで一番前の席が出ていたので
即、落札。金額は\7,000と高いが納得して即決。
演奏会の一番前の席は初めての経験。一番前の真ん中で
ピアノの演奏者を真横から見る位置。ピアノのワッツは昔、レコード
(かCD)でチャイコか何かの協奏曲を聴いて乗りが良いので
結構気に入った演奏家。昔の写真ではスマートだったが今日
目の前に現れたのはかなり貫禄が出て、この人も武蔵丸関の
印象(スカラ座のスチュアート ニールは遠目で見た印象だったが
今日は間近での印象)。ピアノソロで始まりオケのトゥッティが
終わって再びピアノが入るところで指がもつれるように聞こえ
アレアレと思っているうちに体勢を立て直したのかスムースに
音楽が流れるようになった。ワッツは良く聞こえる声で歌いながら
ピアノを弾いていた。早いフレーズは”パラパラパラパラ”と
結構はっきり聞こえる声で歌っていた。それから足踏みも
かなり大きな動作。オケは非常のうまくワッツに合わせていて
演奏終了後は満足して拍手が出来た。気持ちも温かくなる。
因みにピアノはヤマハだった。場所的にピアノの下板の
部分から音が出てくる感じ。
後半のブルックナーの第9番は読響も力演していて素晴らしい
演奏だった。フォルティシモでホールに響きが満たされると
幸せを感じた。ビオラ、チェログループのできがよいと思った。
但し、聴いているうちに音の濁りが気になってきた。
自分の席からは、全体に弦楽器群の動きが良くわかる演奏だった。
管楽器群も熱演していたが、今回の席では細かいことはわからず。
ホルンが怪しいところがあったと思うが大事には至らず。ぎりぎり
許せる範囲だった。
2ndバイオリンのトップ女性奏者が、演奏中常に左足を投げ出した
姿勢なので靴の裏の白色を見せられて気になったり、1stバイオリン
2プルト外側の奏者が妙に他と違うリズムのように感じられたが
全体として楽しめた。3楽章は演奏が難しいと思う。
演奏終了後、Mr.Sがコンマスに”ビューティフル”と一、二度
つぶやいていたのが聞こえ嬉しかった。
帰りの電車の中ではiPodに入っているサバリッシュ/バイエルンの
同曲を聴く。耳直しと言うわけではないがこちらの方が洗練された
感じ。今夜の読響の演奏は洗練された演奏と言うよりは泥臭く
田舎の楽団が頑張っているというイメージが適切なのかなあと
思ってしまった。