今日は冷たい
のそぼ降る暗い一日。
気分も落ちこみがちですが、こんな日はいっそ雨にちなんだ詩を探してみましょう。
いくつか見つかりましたが、やはり雨といえばトップバッターはこの詩かなぁ。
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《都に雨の降るごとく》
都に雨の降るごとく
わが心にも涙ふる。
心の底ににじみいる
この侘しさは何ならむ。
大地(たいち)に屋根に降りしきる
雨のひびきのしめやかさ。
うらさびわたる心には
おお 雨の音 雨の歌。
かなしみうれふるこの心
いはれもなくて涙ふる
うらみの思(おもい)あらばこそ
ゆゑだもあらぬこのなげき。
恋も憎(にくみ)もあらずして
いかなるゆゑにわが心
かくも悩むか知らぬこそ
悩(なやみ)のうちのなやみなれ。
ヴェルレエヌ作
鈴木信太郎訳
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これは、雨の詩の極めつけとでも言うべき詩で、知らないと恥と言ってもいいかもしれません。
他にこのヴェルレエヌの有名な詩には、「秋の日のヴィオロンのためいきの・・・」で始まる『落葉(らくよう)』などがあります。
では、次は哀しい雨の詩です。
戦争で死んでいった妹への鎮魂歌です。
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《木琴》
妹よ
今夜は雨が降っていて
お前の木琴がきけない
お前はいつも大事に木琴をかかえて
学校へ通っていたね
暗い家の中でもお前は
木琴といっしょにうたっていたね
そして よくこういったね
「早く街に赤や青や黄色の電灯がつくといいな」
あんなにいやがっていた戦争が
お前と木琴を焼いてしまった
妹よ
お前が地上で木琴を鳴らさなくなり
星の中で鳴らし始めてからまもなく
街は明るくなったのだよ
私のほかに誰も知らないけれど
妹よ
今夜は雨が降っていて
お前の木琴がきけない
~金井直~
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かわいい盛りの小学生の妹を奪っていった戦争。
空襲を恐れて走り回ることも出来ず、おもちゃもなく、せめて木琴を小さな音で鳴らすことだけを楽しみとしていた当時の子どもたち。
この小さな妹のような亡くなってしまったたくさんの命が、星の中で今も木琴を鳴らし続けているのでしょうか。
二度と戦争のない世の中であるように、今は祈ることしか出来ません。
さて、最後の詩は、自然をうたったとてもやさしい詩です。
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《お日さん、雨さん》
ほこりのついた
しば草を
雨さんあらって
くれました。
あらってぬれた
しば草を
お日さんほして
くれました。
こうしてわたしが
ねころんで
空をみるのに
よいように。
~金子 みすゞ~
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金子みすずさんの詩は、そのどれにも、小さなものへの限りないやさしさや、自然や神への深い感謝の気持ちが綴られていて感動的です。
たった26歳の若さでこの世を去ったこの天才詩人。
合唱にもたくさん彼女の詩が用いられ、今も多くの合唱団に好んで歌われています。

