今日は夜から雨が降ってくるそうです。

だから急いで買い物を済ませたのですが、外の空気の冷たいこと。

こんな日はお汁粉やおでんなど、あったか系の食べ物が欲しくなります。


そんな心まで冷え込みそうな冬の日。

北原白秋の詩集を一人、ひも解いてみました。

しみじみとしたなつかしい気分にさせられます。


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                   《落葉松》



                     一


             からまつの林を過ぎて、

             からまつをしみじみと見き。

             からまつはさびしかりけり。

             たびゆくはさびしかりけり。


                     二


             からまつの林を出でて、

             からまつの林に入りぬ。

             からまつの林に入りて、

             また細く道はつづけリ。


                     三


             からまつの林の奥も

             わが通る道はありけり。

             霧雨のかかる道なり。

             山風のかよふ道なり。


                     四


             からまつの林の道は

             われのみか、ひともかよひぬ。

             ほそぼそと通ふ道なり。

             さびさびといそぐ道なり。


                     五


             からまつの林を過ぎて、

             ゆゑしらず歩みひそめつ。

             からまつはさびしかりけり。

             からまつとささやきにけり。


                     六


             からまつの林を出でて、

             浅間嶺(あさまね)にけぶり立つ見つ。

             浅間嶺にけぶり立つ見つ。

             からまつのまたそのうへに。


                     七


             からまつの林の雨は

             さびしけどいよよいづけし。

             かんこ鳥鳴けるのみなる。

             からまつの濡るるのみなる。


                     八


             世の中よ、あはれなりけり

             常なけどうれしかりけり。

             山川に山がはの音、

             からまつにからまつのかぜ。


                                   ~北原白秋


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北原白秋は、九州の水郷柳河の生まれ。

57歳でこの世を去るまでに、彼はいろいろな顔を持っていました。

すなわち詩人、童謡民謡の作者、歌人の三つの顔です。

よく知られているところでは、「雨はふるふる・・・」で始まる『城ヶ島の雨』が最も有名でしょうか。

『からたちの花』も、今も多くの人に愛唱される名歌です。


上記の詩は、とても長いものですが、しみじみとした旅情の中に彼らしい日本語の美しい表現が印象的です。

声に出して読んでみると、さらに心に深くしみいって来る素晴らしい詩です。


いつも唇にうたを