今日は冷たい雨のそぼ降る一日。

散歩をかねて近所の本屋へ出かけました。

そこで面白い本を見つけ、ちょうど図書カードがあったので買ってきました。


『名言の正体~大人のやり直し偉人伝』山口智司著。


歴史を彩る偉人たちが残した珠玉の名言をたどり、その本当の姿を探るという内容。

エジソンあり、聖徳太子あり、マリー・アントワネットありと、バラエティーに富んでいます。

その中でも、私がショックだったのは福沢諭吉のこの言葉。


天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず


あまりにも有名な言葉であり、

「人間みな平等」という素晴らしいメッセージだと、今の今まで私も思い込んでいました。

しかし、それがどうも違うらしいのです。


慶応義塾を創設した福沢諭吉が書いた『学問のすすめ』に出てくるこの言葉。

続きはこうです。

「されども今広くこの人間世界を見渡すに、

かしこき人あり、おろかなる人あり、

貧しきもあり、富めるもあり、

貴人もあり、下人もありて、

その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。

その次第甚だ明らかなり。

実語教に、人学ばざれば智なし、

智なき者は愚人なりとあり。

されば賢人と愚人との別は、

学ぶと学ばざるとに由って出来るものなり」


明治の言葉遣いですから、こむずかしいのですが、これを平たく言うと、

『人は生まれながらには同じはずなのに、

結果的には、賢者にもなり愚人にもなり、

貧しくもなれば富豪にもなる。

生まれながらには貴賎貧富の区別はないのに、

ただ学問をしっかりとやり知識をつけたものは出世し、

無学のものは貧乏となり、下層に属するようになるのである』

と、こんな意味。


つまり、負け組になるのはちゃんと勉強しないからそうなるのであり、自己責任なんだよ、と言っているらしいのです。

でもそんなことを言われても、貧しい生まれで上の学校へ行けなかった人はその頃もいた筈なのに、(今もそうですが)上から目線で何となく冷たい感じ。

前の首相の麻生さんが、「金持ちは庶民の気持ちが分からない」と評判が悪かったですが、その感覚と少し似ている気がします。


一万円札を見るたびに、「人権派の立派な人だ」と尊敬の念を禁じえませんでしたが、もうこれからは冷めた目で見るようになるでしょう。


この本には他にも今まで常識だと思っていたことがひっくり返ってがっかりするような

ショッキングな真実が多く載せられています。

冬の雨や雪の日、こたつにもぐって一人でゆっくり読むのにちょうど良さそうです。


さて、今日の一編の詩も言葉の意味の恐ろしさについてのものです。


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              《 うつくしい ことば



            たのしそうに 口にしあっている

            ーーともだち

            という うつくしい ことばを


            ともだちで ないものには

            しらんぷり しておこうよ 

            という いみにして・・・


            しみじみ つぶやきあっている

            ーーにくしん

            という しみじみした ことばを


            あかの たにんなどは

            ほっとこうよ

            という いみにして・・・


                                ~まど・みちお~


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いつも唇にうたを