昨日から読書週間だそうです。

今日の朝日新聞の天声人語に、こんな話が載っていました。


アメリカの大富豪がある時、

「全財産をはたいてもかなえたい望みはあるか」

と聞かれたそうです。

そこで彼は、

「大好きな『ハックルベリー・フィンの冒険』をまだ読んでいない状態に戻してほしい」

と答えたそう。

少年時代に夢中で読んだ彼の愛書中の愛書なのでしょうが、読み返しても、まっさらで読んだあの感動はよみがえらない。

だから、もう一度・・・・。


この大富豪の気持ち、痛いほどわかります。


私も子供の頃、小学館の「少年少女世界の名作文学」を毎日のように読みました。

その中には、「小公女」「車輪の下」「アンクル・トムの小屋」「若草物語」などおなじみの名作だけでなく、中国のもの、アフリカのものなど、日ごろあまり触れる機会のないものまで収録されていて、ひとりぼっちで淋しかった思春期の私の心をいつもなぐさめてくれました。

本に顔を埋めていると、そのひとときだけ遠い異国で違う人生を過ごしていられる気がして幸せだったものです。


あの頃はハックルベリー・フィンももちろん大好きでしたが、私はやはり女なので『草物語』にはまりましたね。

病気がちで夢見る美少女ベスに憧れて、しかし強いジョーにも惹かれたりしました。

あの頃の一途な本に対する思い、もう一度取り戻せたらどんなに素晴らしいでしょう!

あの頃は登場人物が、即自分でした。

その瞬間に物語の中に埋没できた。

今のように自分と距離をおいて、周りのことを確かめながら読むことはしなかった。


でも、あの爆発するような感動のしかたはできなくてもさまざまな感動が今は、ある。

静かに、でも深くさざなみのように満ちてくる感動が、今は確かにあるのです。

そのことがすなわち、長く生きて来て私に与えられたご褒美なのでしょう。


また、天声人語には中国の言葉「三余(さんよ)」のことが書かれています。

読書に適した三つの余暇のことで、冬、夜、雨の日の三つをさすそうです。

また、「三上(さんじょう)」という言葉もあり、文を練るのにいい場所のこと。

馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)をさします。

馬上は、今なら電車の席?

枕上は寝床。

厠上はトイレの中。


なるほど、と思えることばかりで、読んでいて一人うなづいてしまいました。

電車に座っていると、確かにいい言葉が浮かんできたりするものです。

トイレも寝床も、確かにある、ある!

読書は楽しいものですが、反対に自分の言葉で発信するとなると、ちゃんと自分の思いが相手に伝わっているだろうかと時々不安になって来ます。


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                       《言葉


                  演奏を聴いていなくても

                  人は

                  ♪を耳の奥に甦らせることができる

                  言葉にしなくても

                  一つの考えが

                  人の心にあるように


                  むしろ

                  言葉に記すと

                  世界はとたんに不確かになる


                  私の「

                  はあなたの「」なのだろうか?

                  あなたの「真実」は

                  私の「真実」?


                              ~川崎洋 詩集「祝婚歌」より~


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人と人は心の底までは分かり合えないもの。

自分の心の小さなひだまでは分かってもらえないもの。

人間って、きっとそうなのだろうけれど、でも、それでも。


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                  《あなたへ


                  やったあ

                  と叫んでください

                  あああ

                  とくやしがってください

                  わあ きれい

                  とうっとりしてください

                  なんだ これ

                  と首をかしげてください

                  きらきらおしゃべりしてください

                  むうむう黙っていてください


                  伝えてください

                  あなた


                           ~小泉周二~


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自分の思いを誰かに伝えたいのです。

同じ思いの人の言葉を聞いて、感動したいのです

だからこれからも書くことをずっと続けていきましょう。

本を手に取ることもそれと同じこと。

一緒に人生を歩んで行きたいものです♪



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