時々人前で話すことがあるのですが、「どうすれば聞いている人の心に残るような話をすることが出来るだろうか?」と毎回考えます。
スライドを用いた方が良いのか? 落語のように話す方が良いのか? 少々古いですが、上岡龍太郎氏や島田紳助氏のようなトーク力を目指した方が良いのか・・・
色々試行錯誤するのですが、ストーリーや実例を元にしたお話は、聞いている人の胸に響きやすいのかなと思っています。
しかし、本題でストーリー性のある話をするにしても、冒頭の部分で如何に興味を持ってもらうかは非常に重要です。そこで大切なことがパラダイムシフト(パターン化された視点がガラッと変わること)という考え方です。
ではどのような条件が揃えば、パラダイムシフトは起こるのでしょうか?大手進学塾で生徒からの支持率95%を誇ったカリスマ講師、木下晴弘氏は自身の著書(※1)の中で「意外性が大切と」仰っています。
例えば、【賢者】というテーマについて公演するとして
『みなさん、こんにちは。お忙しい中本日はありがとうございます。本日お集まり頂いた皆様は恐らく常に学びの姿勢をお持ちの方々だと思います。それに応えるべく、私も一生懸命頑張りますので宜しくお願いします。・・・』
このような冒頭でしたら、よくあるパターンなので、聞いている人のリアクションは薄いと思います。しかし、
『みなさん、こんにちは。お忙しい中本日はありがとうございます。本日お集まり頂いた皆様は恐らく常に学びの姿勢をお持ちの方々だと思います。ところで皆様は【賢者】とはどんな人のことだと思いますか?・・・』
最後の問いかけをすると、顔を上げる人が続出します。これは言わば“つかみ”の一つではありますが、このように問いかけた後に、既存のイメージを変える自説やユニークな言葉の定義を話すことが出来れば、聞いている人はメモを取り始めます。
テクニックは人前に限ることはありません。例えば子育てにおいてもこの考え方は有効で、子供はある程度大きくなると親を質問攻めにします。幼稚園児の頃までは親が正しい答えを教えてあげることが大切ですが、小学生以降になると自分で考える力を身につけることも大切です。
そんな時、是非子供に質問し、子供と一緒に考え、ユニークな回答や自説を述べて上げると「うそぉー」と言いながらも子供の目は輝きます。
勿論家庭環境や人間関係において、有効である場合とそうでない場合があるのであくまでも参考の一つ程度にして頂ければ幸いです。本日もありがとうございました。
※(※1引用) 「ココロでかわれば、人は“本気”で走り出す!」木下晴弘 氏