昨日もお話ししたように、何とかお金に対するイメージをよくして、健全に執着できるようにならないものか?いろんな人がその為の方法を考え出している訳ですが、最近読んだ浜口隆則という人は『心の翼の見つけ方』という本でお金の本質にまでさかのぼって解きほぐし、お金に対する悪いイメージを捨て去るように言っています。

文明が生まれる以前、人は他者に価値を提供することで、提供したものと等価の価値を受け取っていた。たとえば米を作るのが得意な人は米を提供し、魚を捕るのが得意な人は魚を提供し、提供したものと等価な自分が必要なものと交換していた。だけど交換するものが増えると交換のレートなどが複雑になってきた。そこで提供した価値を表すものとしてお金が誕生した。お金が生まれたことで提供したものと欲しいものとの交換が容易になっていった。

成り立ちを離れて考えると、「お金は力だ」とか「お金があれば何でも出来る」とか考えてしまいがちだけど、ただ単に社会に提供した価値の尺度でしかない訳です。ですから人の財産=貯金額と単純に考えるなら、

社会に提供した価値-社会に提供してもらった価値=貯金額

と言える訳ですね。


つまり、財産をたくさん持っている人というのは、社会に対し提供してもらった分より多くの価値を提供している人だと言えるのです。そう考えると、お金持ちも悪いものじゃないと思えてくるのではないでしょうか?それにお金を稼ぐと言うことも、社会に価値を提供してくると思えば、悪いことでも無いと思えてきませんか?


自分は確かに社会に価値を提供しているんだと考えて、誇りを持ってより多くのお金を得る努力をしていこうと思って頂けたら、FPの僕にとってはうれしい限りです。

お読み頂きありがとうございます。特にかえでさんコメントありがとうございます。コメントにコメントをかえすやり方が判っていなくて返せてませんが、非常にうれしいです。


昔、中国では商人を「銅臭」という言葉(昔の中国のお金は銅貨がメインで、商人はいつも金ばかり数えているので体に銅の臭いが染みついていると言う意味)で蔑んでいたそうです。徳川幕府も身分制度で商人を一番下に置いていました。商人と言うより、お金に執着する人は昔から余りよく思われないんですよね。


そう言う感情の元はお金に対する悪いイメージのせいでしょうね。お金は人を苦労させたり不幸にしたりする良くないもの→だからそんなものに執着してはいけない。そんな風に考えられているんでしょうね。


でも、そんな態度をしていてはリッチになんてなれない。何とかお金に対するイメージをよくして、健全に執着できるようにならないものか?いろんな人がその為の方法を考え出しています。そんな中で最も面白いことを言ってるのは神田昌典という人だと思います。


彼は『非常識な成功法則』という本の中で、「お金で買えるものを好きになるのではなく、お金自体を好きになれ!紙幣の臭い・その質感・絵柄の美しさ、そう言う部分を通してお金自体に愛着を持ち、大切に扱い、お金に対する態度を積極的な肯定的なものにする。まずそこから始めてみよう」と言ってます。


この本を僕に勧めてくれた方も、この考え方に激しく賛同していたので、僕もやってはみました。でも、紙幣の臭いと言われてもよく分かりませんでした。絵柄や質感も確かにいいとは思いましたが、でもそれほど心を揺り動かされもしませんでした。


この方法はイマイチかと一瞬思われましたが、ふと自分が昔ホテルの経理をしていた頃のことを思い出しました。そのホテルは結婚式場も兼ねていたので、披露宴当日になってから、代金が現金で払い込まれることもありました。額にして100万200万はザラで、間違えが起こらないよう経理の人間が常に責任を持って数えることになっていました。そう言うお金はたいていの場合新券で100枚ごとに帯封で留められていて、整然とまとめられたその様は不思議と心躍るものでした。そしてその帯封を解く時の快感、新券の数えにくさすら感じさせるあの手触り・・・。人目があったから平然とした態度で数えてましたが、内心ではいつもうっとりしてました。


確かに一枚の紙幣にそれほど愛着を持つのは簡単じゃないとは思いますが、新券の束ならば話は変わってくるかと思います。仕事などで機会がある方は是非とも一度はそんな風にお金を愛でてみてください。機会がない方は法に触れないやり方で積極的にそう言う機会を作ってみてください。ただし、自分のお金でない場合はどんなに愛着がわいてもお持ち帰りなどしてはいけませんからね!


あの快感が忘れられない。あの快感を得る為にもう少しお金をより多く得られるようにもっとお金に対して前向きに生きてみようと思って頂けたら、FPの僕にとってはうれしい限りです。

昔、江戸っ子は「宵越しの金は持たない!」とか言って、入ってきたお金はすぐにパーッと使い切ってしまったらしい。お金に執着しないという態度にかっこよさを感じていたのかもしれませんね。


でも、執着しないという事がそんなにかっこいいとは僕には思えません。サッカーで言えばゴールに執着しないストライカーは決して得点王にはなれないでしょうし、野球で言えば打つ方ばかり得意で守備力の向上に執着しない選手は絶対にゴールデングラブ賞を取ることは出来ないでしょう。執着しないということはつまり何らかの結果を積極的に得ようとしないと言うことだとも言えるし、極端な言い方をすれば特定の物事に対して後ろ向きな態度をとっていると言うことさえも出来ると思います。後ろ向きな態度!こんなものがかっこいいと言えるでしょうか?


だからお金に関して江戸っ子的な態度は決してかっこいいものではないと思います。江戸っ子的な傾向のある方はそろそろお金に対する態度を見直してみてはいかがでしょう。


FPの僕はそんなことを考えたりもするのでした。